平成20年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告128)水素エネルギー関連 東京都市大学が主担当であるテーマは、①水素バス運行に関する研究 (研究担当 瀧口准教授、山根准教授)、②定置式燃料電池の要素技術開発 (研究担当 高木教授、永井教授)である。 一方、室蘭工業大学が主担当となるテーマは燃料電池性能向上の技術開発 (研究担当 松山教授、関助教、田邉准教授)および、②水素製造・貯蔵技術の開発 (研究担当 杉岡教授、神田助教、斎藤教授、駒崎准教授)である。9)連携研究 連携研究として、次の4つの研究テーマを立ち上げた。①航空宇宙:宇宙用スターリングサイクルエンジン発電機の研究 宇宙空間において太陽熱を用いた発電を目的として、スターリングサイクルエンジン発電機および集光・放熱器の研究を実施する。特に、スターリングサイクルエンジン発電機の運転特性を把握することに焦点を合わせる。作動流体として最も高性能が期待できる水素ガスを用い、その際の特性、性能、耐久性等の運用技術に関する基礎的なデーターを取得する。また、地球軌道上での運用を目的として、軽量な効率の高い集光器や放熱器を検討する。②超電導:銅酸化物等の超電導体における新奇なディスオーダー効果に関する研究 超電導材料はエネルギー問題や環境問題の解決に貢献する重要な機能材料の一つであり、様々な観点から特性評価し高性能化すること、超電導関連技術を向上させること等が強く望まれている。近年、銅酸化物やMgB2等の比較的高い超電導転移温度(Tc)を持つ超電導体の応用研究が大きく進み、その実用化が期待されている。これらの超電導体を応用する上で、超電導に対する不純物効果やディスオーダーの影響を詳しく調べておくことは大変重要と考えられる。 最近、銅酸化物やMgB2の超電導に対する不純物効果やディスオーダーの効果が、超電導の発現メカニズムなどの基礎研究の観点から注目されている。例えば、ZnやNiなどの不純物を少量添加したBi系銅酸化物高温超電導体では、Tcがまだ十分高いにもかかわらず超電導が空間的に著しく不均一であることが走査トンネル顕微鏡(STM)の実験から報告されている。超電導の不均一さを特徴づける長さは超電導のコヒーレンス長と同程度であり、不均一な電子状態が本質的に超電導の発現メカニズムに関連しているのではないかと大きな注目を集めている。また、MgB2ではメカニカルミリングにより系統的にディスオーダーを導入していくと、元々の超電導転移温度よりも低温で新たな超電導相が現われることが報告されている。 このような新奇な不純物効果やディスオーダーの効果の起源を明らかにし、MgB2や銅酸化物超電導体の応用に対する影響を調べることは大変重要である。 以上を踏まえ、本研究では以下のことについて詳しく調べ、知見を得ることを目的とする。 (1)�銅酸化物およびMgB2の超電導に対する新奇な不純物効果やディスオーダー効果の起源 (2)�硫化物や希土類系などの比較的新しい超電導体において同様な不純物効果、ディスオーダー効果が見られるかどうか(普遍的かどうか) (3)�上記の超電導に対する新奇な不純物効果やディスオーダー効果が超電導の応用に与える影響③生体工学:生体組織の光学・エネルギー伝搬特性に関する研究 生体の皮膚組織を介した生理情報の計測は、ユビキタス医療センシングの最も可能性の高い実用化技術として期待されている.なかでも光を使った方式は、無侵襲、非接触な特長を有し、手軽なヘルスモニタリング手段として有効である。これを実現する場合、皮膚を伝わる光の伝搬特性を把握することが重要であり、組織内での光の吸収と散乱をいかに実際のヒトの状況に近い条件でモデリングするかが実用化の鍵を握っている。そこで、室蘭工業大学相津研究室でのこれまでの皮膚光学研究に基づく層状皮膚組織モデ

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