平成20年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告244.3 プラグギャップによる逆火対策の効果 前述のように対策ケーブルは逆火防止に極めて有効であるが、そこに使用されている抵抗の劣化並びにリーク等による信頼性が懸念される。本研究では対策ケーブルの代わりに、プラグギャップを減少させることにより残存放電電圧を低下させ、二次放電を抑制させる手法を検討した。本研究では、図7に示すように高電圧プローブを使用して放電電圧を測定した。図8は、標準のプラグギャップである0.75mmの他に0.2mm、0.1mmのプラグギャップを持つ合計3種類の点火栓を用意し、それらの放電電圧を測定した結果を示す。対策ケーブル使用しない場合、プラグギャップ0.75mmと0.2mmでは、放電電圧が11kV付近に達し、逆火が発生した。しかし、プラグギャップ0.2mmのものは、1000rpmにおける放電電圧が10kVに低下し、その際には逆火は発生しなかった。また、プラグギャップ0.1 mmでは、放電電圧が8kVまで低下し、逆火は発生しなかった。これらのことから、逆火を防止するには、放電電圧を11kV以下で運転することが必要であると推測され、それにより対策ケーブルを使用せずに逆火を防止するできる可能性が確認された。4.4 VG(Variable Geometry)ターボによる出力の改善効果 前述のように、逆火の改善により出力は3000rpm では目標値に達したが、中低速域では目標値に対して劣っている。本研究では、ベースディーゼルエンジンに標準で備えられているVGターボのタービンノズル開度により中低速域の過給圧力を制御し、その出力改善効果を確認した。図9に制御した際の出力性能、図10にそのときの過給圧力およびηv示す。また、 100kPa(ゲージ圧)以上の過給圧力において逆火、ノッキング等が発生したことから、本研究では最大過給圧力を100kPaに設定した。これより、1500rpm以上の回転数において、過給圧力を100kPaに制御することができ、出力も全運転条件において目標値を上回ることができた。しかし、1500rpm以下の回転数では、十分な過給圧力が得られず、何らかの出力向上策が必要となることがわかる。またここで、原因不明の逆火が散発的に発生することが確認され、その原因究明と対策が必要となった。図7 放電電圧測定系統図図8 プラグギャップによる放電電圧の変化図9 VGターボによる中低速域の出力改善効果

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