平成20年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告32 本研究グループでは燃料電池の性能向上を図るための要素技術の研究を実施した。本年度の実施した研究課題と研究担当者を以下に示し、次に研究テーマごとの研究成果を述べる。・研究課題:燃料電池用酸素富化膜の開発 松山 春男(応用化学科)、関 千草(応用化学科)・研究課題:PEFC用炭化水素系電解質膜の機械的特性の向上 駒崎 慎一(材料物性工学科)・研究課題:燃料電池用CNTの合成とそれを活用した電極の高性能化 田邊 博義(応用化学科)研究成果報告:燃料電池用酸素富化膜の開発松山 春男(応用化学科)、関 千草(応用化学科)研究の目的: 携帯型燃料電池に酸素を充分に供給することは燃料電池の動作効率を向上するために重要であり、空気中の酸素を濃縮、供給できればより高出力の燃料電池の開発が可能となる。このとき医療・工業などの幅広い分野への応用が注目されている酸素富化膜を利用すると酸素濃縮だけではなく、空気中の不純物も除去でき、燃料電池の超寿命化も期待できる。 これまでに酸素富化膜として側鎖に芳香族アミンを導入したメタクリレートポリマーとコバルトテトラポルフィリンとの錯体を利用した例が西出らによって報告されているが、流量が大きく、酸素濃縮能の高い富化膜を作製するためには薄膜作製法などの課題が残されている。 そこで本研究では酸素親和性の高い有機金属錯体であり、市販品として入手が容易なコバルトテトラフェニルポルフィリンを用いて酸素富化膜を作製し、その簡便な作製法の開発と酸素濃縮能の向上ついて検討を行った。研究実施の方法: ポリブチルメタクリレート(PBM)はアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を重合開始剤として窒素雰囲気下、トルエン中、90℃、24hの条件でブチルメタクリレートの反応を行うことにより合成した。PBMの収率は63%、重量平均分子量は2.7×104、分散比は1.6であった。このPBMは支持膜表面に塗布したポルフィリン錯体が強固な機能層を形成し、はがれ落ちにくくするための働きをもつ。市販のコバルトテトラフェニルポルフィリン(CoTPP)と芳香族アミン類の錯形成を行うために、窒素雰囲気下クロロホルム2ml中で燃料電池性能向上の技術開発■教育研究部会 活動報告 研究小委員会資料 ▷ P134Scheme PBMAの合成および CoTPP-amineの調製

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