平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書 資料編107《大学・地域間 連携シンポジウム 講演録》テーマ「次世代へのアプローチ ~低炭素社会実現に向けて~」日時:平成21年10月30日(金)15:00~17:30/場所:蓬莱殿(室蘭市宮の森町1-1)▶司会「次世代へのアプローチ~低炭素社会の実現に向けて~」と題しまして、文部科学省戦略的大学連携支援事業水素エネルギー研究を契機とした東京都市大学、室蘭工業大学、室蘭市の連携事業、大学・地域間連携シンポジウムを開催いたします。開催にあたり主催者を代表いたしまして、室蘭工業大学学長でございます佐藤一彦より開会のあいさつを申し上げます。▶佐藤一彦氏(室蘭工業大学学長)ただ今紹介いただきました室蘭工業大学の佐藤でございます。本日は、多数の皆さまにお集まりいただきましてありがとうございました。大学・地域間連携シンポジウムの主催者を代表して一言ごあいさつを申し上げます。最初に、このシンポジウムが開催されるに至った経緯について少し触れたいと思います。本日のシンポジウムは、平成20年に文部科学省によって採択された戦略的大学連携支援事業の一環として開催させていただきました。事業のテーマは水素エネルギー研究協力を契機として、と謳っておりまして、連携は東京都市大学そして室蘭工業大学、ならびに当地室蘭市の三者の協力であります。水素研究の内容を簡単にご説明いたします。東京都市大学におきましては、約40年近く、やがて枯渇するであろう化石燃料に変わる次世代のエネルギーとして水素エネルギーに注目して、水素を燃料としたエンジンの開発・研究を進めてまいりました。同時に燃料電池についても実績を積んできております。室蘭工業大学におきましては、同様に燃料電池、あるいは水素の発生貯蔵に関する研究を積んできております。また当地室蘭市におきましては、地元の産業との関連で水素エネルギーによるまちづくりを目指して、いろいろな取り組みを行ってきた経緯があります。これらの三者が文部科学省の注目するところとなり、連携事業として水素エネルギーの研究を契機とした連携事業の認可を受けたいきさつがございます。研究協力のほかに教育面や学生交流、あるいは大学運営に関しても協働でいろいろな事業を進めておりますが、その中の一つとして、きょう、このホールの玄関にありました東京都市大学開発の水素エンジンを搭載したバスがございます。これを室蘭市が借り受けまして今月の20日から来月の16日までの期間、当地で実証走行、あるいは地元の小学校への出前教室、市民試乗会等のイベントを織り込んでおります。これらもシンポジウムと同様に地域連携事業の一環でございます。いきさつは以上のとおりですが、このたびの本シンポジウムのテーマは、「次世代へのアプローチ。低炭素社会への実現に向けて」となっております。すでにご承知のとおり地球温暖化というのは抜き差しならない状態になっております。ことしの夏イタリアのラクイアで開催されましたサミットにおきましても長期目標として、2050年までに先進国、途上国あわせて地球全体としては二酸化炭素ガスの排出を1990年比で80%を削減する目標で合意しております。一方中期に関しましては、2020年という目標年度を設定し、それまでにどのぐらい温室効果ガスを削減するかヨーロッパや日本、アメリカのそれぞれが検討を続けてまいりましたが、鳩山内閣が出発した直後に開催された国連総会で総理は、日本の中期目標を数値で提示いたしました。ご承知のとおり1990年比で2020年までにCO2ガスを25%削減という目標の提示でございました。これは世界的にも大変注目され、ほとんどの国からは歓迎の意向が示されました。しかし国内からは、産業界の経済が減速するのではないか、あるいは一般家庭に対する負担が大きいのではないかという危ぐ等もございます。こういった危ぐ、心配もございますけれども、我々としては科学技術に携わる機関の一員として、この数値目標を歓迎したいと考えております。歓迎するだけで107

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