平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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112平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書 資料編ときに、距離が近くなると暑くなるのです。そのリズムが10万年に1回だと考えられているのです。その温度差はせいぜい3度から4度と考えられております。これは10度くらい変わっています。それはCO2やメタンなどの温室効果ガスによって加速されている。どれかが上がればほかのも上がる。どれかが下がればほかのも下がる。そういう関係になっていると考えられております。今、どこまで上がっているかですが、CO2は過去をみるとせいぜい300PPMでしたが、今は380PPMです。メタンは今1780PPBです。42万年間少なくともこんなに濃度が高くなったことはないので、過去はリンクしているということは、今回どこまで気温が上がるかが心配になるわけです。15万年間に拡大してみますと、あるポイントでの温度ですが、前回の間氷期から今の間氷期です。温度が上がったり下がったりするのが普通で、過去1万年間ほとんど温度の変化がない今がいかに異常か分かります。でもこのおかげで人類は農耕をやって安定した食糧を得て文明を発達させてきたのです。それが今、人間がバランスを崩そうとしている。地球としては普通の状態である上がったり、下がったりという状態になる可能性はかなり高いと考えられます。人間がこれだけバランスを崩してもなおかつそれで安定するというのは楽観的過ぎだと思います。どちらかというと普通の状態である温度が上がったり、下がったりの状態になるのではないかということです。例えば氷期から間氷期に向かおうとした途中で、一気に下がったことがあります。特に北半球だけです。これは海流の問題で、もしかしたら起きるかもしれないということが考えられております。一方向に上がっていくかもしれないし、もしかしたら1000年ぐらい氷期に戻る可能性もあります。そうなると人類にとっては大ダメージになると思いますが、そういったことが起きるかもしれないということです。非常に生易しいものではないということです。環境問題は人類が生き残れるかどうかという危機管理の問題ということです。よく「情けは人のためならず」という言葉があります。若い方も多いのでもしかしたら間違えて覚えていらっしゃるかもしれません。情けをかけるというのは、巡り巡って自分のためにもなるという意味なので情けをかけましょうという意味です。これは環境問題にも言えると思います。例えばホッキョクグマが絶滅しそうだからとか、ツバルの方が困りそうだからという動機でもいいのですが、巡り巡って自分の子ども、孫が生き残っていくためにもやらなきゃならないことだということです。環境保護は、ほかの人のためではなく自分や自分たちの子どもたちのためにやらなければならないことだということです。国際的にはどう取り組んでいこうとしているのか。科学的な予想でCO2がこれからどうなっていくだろうかを、スライドの波線の下が最低で済んだ場合のCO2排出の予測です。こちらは最高の予測です。いろいろなシナリオの最低ラインと最高ラインが示されています。色付きのグラフは、このぐらいの濃度におさめるためには、このぐらいの排出量におさめないといけないということです。こちらはこの排出でいった場合は、このぐらいの温度におさまるという幅です。今、国際的に言われている産業革命以降の温度上昇2度とか2.5度におさめようということですが、2.5度というのは相当きついのが分かります。1か2でもかなり高くなる可能性があるんです。幸運ならいいかもというぐらいです。最低限のシナリオよりさらに下ですね。実現は難しいかもしれないということです。実現可能な最低ラインは3ですね。3だと中心が3度ちょっとのあたり。良ければ2.5度ぐらいで済むかもしれない。悪ければ5度ぐらいになるというラインです。ここを何とかしていかないと大変なことになるわけです。ここも10度という可能性もあるわけです。生易しいものじゃないというのはよく分かります。よく言われている2050年に何とかしようというラインですが、実際には国際的な合意までには至っていないのですけれども、今度コペンハーゲンで開かれるCOP15で議長案として出されるというのが先進国全体で2050年にCO2の排出を80%削減しよう。新興国も含めた世界全体は50%で合意をしたいのですが、数値化をすると合意できない感じなので数値化はせずに削減しようという形になる可能性が高いです。それで2050年に50%減をやっていかないと難しいということです。理想論だという問題ではなくて現実にやっていかないと相当まずいことに

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