平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書 資料編113なるというラインでの話しをしていることが分かりますね。今考えますと国同士の争いや途上国、新興国、先進国の間で駆け引きをやっている段階ではないのです。それぞれが持っている力を出し切って、連携しながら人類全体での排出量をいかに落とすかを本気で今からやらないととても追いつかないレベルなのです。ではどう切り替えていくか。再生可能エネルギーへの転換を進めていくことになりますが、急ピッチで進めていかなければなりません。この予測ですと、一番上は太陽光です。風力、地熱。日本はたくさん地熱の能力がありますが、温泉業者さんの反対などでできませんけれども、どんどんやっていかなければなりません。バイオマスも増やしていかなければならない。水力も増やしていかなければなりません。何といっても期待されているのは太陽熱です。日本では太陽光が注目されていますが、世界的には太陽熱への期待が大きいです。予想では2020年ぐらいから石油、ガスへの依存度を下げていくことになっています。ドイツは例えばサハラ砂漠に100ギガワットの太陽熱発電所を作ろうと、風力も入れてということが2050年までに考えられております。中国は太陽光でやろうとしています。アメリカは2カ所で合わせて1.3ギガワットを太陽熱でやろうとしています。スイスはUAEにある島で1ギガワットの太陽熱の発電所を作ろうとしています。日本では静止衛星軌道に太陽発電の衛星を打ち上げ、そこから電磁波で地表に送ることを考えています。一点に集中すると大変になるので、広い面積で受けようという計画になっていますが、これをやろうと思うと100回ぐらい打ち上げないといけない。1回あたりの打ち上げ費用を100分の1にしないと難しいですけれども、そういう計画もあります。太陽熱に関しては東京工業大学の先生がコスモ石油と共同して実験を始めておりますが、こういうアイデアもあります。今、太陽熱で多いのは高い塔を造って、そこに鏡で集めて水などを沸騰させてタービンを回してということがされておりますが、この先生はそれだとどうしても高い位置になると風が吹くと冷めやすいとか不安定になりやすいので、一度集めてもう一度反射して集めようということを考えています。ここは1100度ぐらいになるそうです。溶融塩という300度から600度ぐらいまでの間は液体の状態を保つという特殊な塩があるのですが、それに熱を集めるということなのです。これを断熱性の高いタンクにためようと。なぜ地表にするかというと、タンクを巨大化することができるというメリットもあります。これにためておけば夜だろうと曇りだろうとずっと安定して発電できます。これが今までの風や太陽光任せの発電と変わってきて、安定して供給できるので期待されているわけです。例えば日本ですとオーストラリアあたりで将来的にこういった太陽熱発電所を造って、それを例えば高温超伝導物質を使ったもので電気を運んでもいいですし、例えば水素のような形で日本に運んできてもいいと思います。そういった形で利用していこうというのが国際的な流れになっていくということです。というかそうやらないと大変なことになっていくということです。私たち個人としては一体どうすればいいのか。これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄のライフスタイルを続けていくと、資源やエネルギーが足りなくなって温暖化も進み、食糧不足になって、いずれ戦争か飢餓か、最悪の場合は滅亡するかもしれないということです。ではライフスタイルをどう変えるか。例えばスローライフだったらどうかを考えてみましょう。定義はいろいろあります。例えば田舎暮らしをしましょうとか、有機農法をやりましょうとか言われております。過疎の村が昔に戻るぐらいならいいのですが、今都市部にたくさんの人が増えすぎているのです。みんなで田舎暮らしをして有機農法をやろうと思うと、スローライフやロハスと言われるものもそうですが、基本的に効率を追究しないというのが特徴になってきます。1人あたり広い面積が必要なのです。東京の人に田舎暮らしをと言っても無理です。土地がないのです。山を切り開くとか海を埋め立てるとなると、新たな環境破壊になりますね。豊かな自然に少しの人間でないと成り立たないと思われます。無理やりやろうとすると環境破壊や食糧危機になります。戦争なのか飢餓なのか分かりませんが、限定的な効果しかないのではないか。滅亡するしかないのかということになってしまいますけれども、そこであるライフスタイルを考えて、分かりやすい名前をつけました。それが「エコゴージャス」というものです。

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