平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告106)連携研究 研究開発参画型のOJT教育としての連携研究は平成21年度と同様に次のような8テーマからなる。その概要は以下に記す通りである。平成22年度は、本事業の第一ステップの最終年度ということで、各テーマごとに第一段階の完成型を目指すとともに、平成23年度以降の継続的な進展のために、予算獲得方法や実施体制について検討する。 ・�水素エンジン搭載自動車運行のための技術的課題解決:これまでに実施した室蘭走行実験と冷温実験室での走行実験より得られた結果を分析し、明らかとなった問題点を解決して、再度水素エンジンマイクロバスを首都圏内ならびに室蘭市内(夏季および冬季)において走行させる。また、燃費性能を抜本的に改善するために、新たにハイブリッド水素エンジン搭載の中型自動車を試作する。 ・�定置式燃料電池の要素技術課題解決:両大学がそれぞれ開発してきた燃料電池の要素技術の成果を集積して、システム化を図る。そのために平成22年度前半では、作動温度150℃(最大)で無加湿で作動するPEFC用高温型高分子膜の開発を行い、白金使用量1/10を目標にした低貴金属電極触媒の開発、新開発電解質膜と電極触媒の性能を最適化するためのMEAシステム調製最適化を行う。 ・�燃料電池性能向上の技術開発:燃料電池の高効率化、長寿命化、低コスト化に向けて新規に設計した無加湿中温域で作動するポリイミダゾール系固体高分子型電解質膜を用い、非白金系電極触媒界面における酸素カソード反応を検討し、燃料電池の高性能化研究を行う。この後、水素製造、貯蔵、燃料電池の統合システム化を研究開発型(OJT)教育の一環として進める。 ・�水素製造・貯蔵技術の開発:水素製造技術の開発である廃アルミニウムと水からの水素製造法について、低コストで常温反応による廃アルミニウムと水との反応温度と攪拌条件の最適条件の検討と、小型反応機による発生水素を直接高圧貯蔵する方法の開発、さらに、両大学が連携して開発する燃料電池システムへの使用を視野に入れた条件の設定を行う。また、水素貯蔵技術の開発では、燃料電池システムへの応用を視野に入れ、本事業により研究開発を進めてきたマグネシウム基合金による高性能軽量水素吸蔵合金を開発する。 ・�宇宙用スターリングサイクルエンジン発電機の教育研究:スターリングサイクルエンジン発電機および集光・放熱器の研究を実施する。作動流体として最も高性能が期待できる水素ガスを用い、スターリングサイクルエンジン発電機の運転特性を評価すると共に、地球軌道上での運用を目的として、耐宇宙環境設計に資する軽量な効率の高い集光器や放熱器も含めた総合的なシステム研究を行う。また、新規に液体窒素と水を推力源とする安全かつ再生利用可能なロケットエンジン開発のための水平発射実験とその特性解析を東京都市大学開発のロケットと室蘭工業大学の高速軌道施設を利用し両大学学生参加型で合同実施する。 ・�銅酸化物超電導体及び金属間化合物超電導体における新奇なディスオーダー効果に関する教育研究:新奇な超電導体(銅酸化物、MgB2、希土類化合物超電導体)に対するディスオーダーの影響を系統的に調べることに加え、ディスオーダーの効果の起源を明らかにし、新奇な超電導の発現メカニズムとの関連について知見を得る。 ・�生体組織の光学特性及びエネルギー伝搬特性に関する教育研究:生体の皮膚組織を介した生理情報の光学的計測技術の向上に関する研究を実施する。主に生体(皮膚)における光とエネルギーの伝搬特性に焦点を当て、血流に加えヘモグロビン濃度変化の情報検出機能開発を試み、さらに可搬型装置の構築を目指す。また、動物実験を行い、性能・実証評価を繰り返す。 ・�原子炉圧力容器用鋼におけるSi(シリコン)添加量の教育研究:原子炉圧力容器用鉄鋼材料におけるSiやMnの照射脆化への長期的な寄与は明らかになっておらず、高経年度化対策や次世代原子炉材料の開発の

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