平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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120平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書 資料編す。現在のところに石油や天然ガス、石炭、再生可能エネルギー、原子力などがあります。条件としましては強力な対策を実施したケースでございます。イメージとしては2100年で人口は90億にしか増えない。現在の六十数億人の1.5倍にしかならない。それを2050年、2100年の両方で表現するとこのようになります。化石エネルギーに関しては当然枯渇してしまう。燃料価格は上昇する。石炭に関連するエネルギーが主流になってしまう。量からいうとこういう表現をせざるを得ない現状でございます。再生可能エネルギーは、残念ながら救世主にはなれない。後ほど理由を簡単に述べさせていただきます。このエネ研の資料ですと、量に関しても2050年でこの程度、2100年でもこの程度の位置付けにしかなっていない。原子力発電は重要な役割を果たしますが、やはり量としてはこの程度で限られてしまう。全体としましては、エネルギー源が多様化するということでございます。多様化といいましても、俗っぽい表現ですと現在の化石エネルギーを中心とした社会が、例えば野球で言うとエースがいて、9回まで投げて最後にクローザーで閉じるという位置付けに対して、多様化というのは1イニングもつかどうか分からない、2イングもつかどうか分からない選手を並べて9イニングもたせるという、あやふやな投手の多様化でございます。すると当然ながら、エネルギーは高価格化する。これが一つの2010年のエネルギー事情です。ですから私の話も21世紀の後半をターゲットにした話しになります。高価格エネルギーの例でございます。スライドは数年前のデータですが、在来エネルギーで発電するコストに対して、再生可能エネルギーで発電するとこんなにコストが高くなってしまうという例でございます。大体ヤーでいきますと2倍近くなります。理由はご存じのように再生可能エネルギーは、基本的にエネルギー密度が低い。それと中途半端に偏在している。石油のようにアラブとかという偏在ではなくて、ローカルに偏在しているためです。私は学生たちには「皆さまが使っている例えば2リッターぐらいのエンジン、100キロワットといたします。その大きさに対して太陽エネルギーは大体1平方メートルあたり1キロワットでございます。100キロワットを得ようと思うと効率なども考えますと、45×45メートルのパネルが必要である。そのぐらいみんながエネルギーに比べて必要に密度が低いエネルギーである」と表現しています。それらを含めるとどうしても高価格化になってしまう。これが将来のエネルギーの一つの像でございます。もう一つは石炭や石油、天然ガスがなくなった後は、いろいろな燃料でカバーするということで、先ほど言いました多様化です。多様化で大事なのは石炭やバイオマスを中心にした在来型の燃料に対して太陽エネルギーや原子力は発電から始まります。その二つが中心になってその間を水素が埋める形で重要な役目を果たしてくる。理由の一つは液体燃料の改質で作りやすい。同時に電気からは、電気化学的な方法を使うことによって水素を作り出すと同時に貯蔵に関しては相性のいい物質が水素であるということで、多様化の中で水素は大事な役目を占めてくる。それで定置用または移動用に使われる。それが一つの多様化のイメージでございます。違う絵で説明いたします。燃料ガスとか従来のエネルギーの手法で改質などで取り出す水素と原子力や太陽光などで取り出すエネルギーも水素です。それを定置用とか移動用に使う。付け加えたのは、大事にしなければいけないということで国内資源で対応が可能である。現在の九十数パーセントを輸入原油に依存していますが、それに対して国内で資源対応が可能であることも大事な要素でございます。水素は地球が抱えている3大課題の解決に重要な役目を果たす燃料でございます。3大課題に対して世の中ではいろいろな動きがございます。大気汚染、CO2削減、地球温暖化、エネルギー資源に対して、先ほどもありましたが例えばCO2を半減する話しなども書いています。この中で水素や燃料電池に関係するものをリストアップしてみます。水素や燃料電池が最初に世の中で脚光を浴びるようになったのは、アメリカのPNGVというプロジェクトです。パートナシップフォーニュージェネレーションオブビークルというタイトルで1993年、クリントン、ゴアの最初の環境に対する大きな仕事だと言われています。目的はアメリカの原油輸入依存率を下げるために始まっています。もう一つ

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