平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書 資料編129地帯だと牛からメタンガスを作って、そのエネルギーでトラクターなどに使うとか、雪氷冷熱は、牛は暑さに弱いので、乳を搾るときの冷房にするとか、いろんな利用ができますので、エネルギーを効率的に組み合わせてCO2や廃棄物を極力出さないゼロエミッション型のエネルギーの地産地消を目指そうという調査をやってございます。水素関係の調査ですけれども、出力が安定しない風力発電と燃料電池を組み合わせたシステムについてです。いろいろありますが室蘭市さんでやったものについては、何タイプかモデルを検討しておりまして、室蘭市全体で持っている水素吸蔵合金に関する技術や燃料電池に関する技術、また副生水素に関する技術を組み合わせて、電気と熱を防災拠点であったり、非常用電気とか、普通の住宅に供給するモデルもやっております。その他に先ほどの発表とつながっていますが、例えば風力で水素を作ったりとか、室蘭には工場から出る副生水素がございますので精製して、有機ハイドライドとかいろいろなもので、水素ステーションを造ってそこに持ってくる。それを自動車に使えないかというモデルも作っております。これにつきましては、先ほどもお話にありましたとおり、現在、東京都市大学さんと室蘭工業大学さん、室蘭市さんで共同の水素バスの実証実験をやられておりますので、非常に良い結果が出ることを期待しているところでございます。続きまして、現在室蘭市でどんなことをやっているかを詳しく説明させていただきます。産業排熱はいろいろな工場から、非常に高い排熱が現在出ておりまして、それについてはカスケード利用と書いてありますけれども、200とか300度以上くらいの高温部については発電などいろいろな利用をすでに工場内でやられていると思います。低温というのは蒸気などで、十分には使われていない。そのエネルギーを何とか利用できないかという調査でございます。北海道の場合、家庭での暖房エネルギー消費が高いので、そこに活用できないか行っています。概念図がありますので、若干説明させていただきます。今やっておりますのは、日本製鋼所さんの圧延工場から出る排蒸気から熱を取り出します。熱交換器のトランスヒートコンテナの中には蓄熱物質が入っていて、熱交換器で熱をためて使うところまでトレーラーで持っていき、また熱交換器で熱を供給するという一連の調査をやっております。資料は、先ほどの蒸気熱の特質を若干書いてあります。蒸気の圧力というのは、エネルギーと見ていただければ分かりやすいかと思います。特徴としては、ぽっかりグラフが空いているように見えますが、産業活動に伴って出るエネルギーですので、当然エネルギーが出てこないときがあって断続的である。出ている中でも振れているというのが分かると思いますが、脈動しているというか、瞬間的に出ないことがある。断続した前後の熱エネルギーについても変動がある。1.7倍くらい変動がある特質を持っております。トランスヒートコンテナについて、若干説明します。資料はコンテナーの中のことです。赤い部分が蓄熱剤で、この場合、酢酸ナトリウム三水和物を入れております。ここのパイプみたいなところに熱媒油とがあります。これは蓄熱器をグルグル循環して、熱をためるものです。実際どうやっているかというと、ここから蓄熱油が出てきて、比重が軽いので上に上がっていきます。その中で蓄熱物質と直接接しますので、その中で熱を交換していくことでためていきます。取り出すときはまたグルグル循環させて、熱を吸収して使うシステムになっています。このトランスヒートに入っている酢酸ナトリウムの性質ですけれども、こっちが水ですけれども、大体50とか80度くらいの低温の温度に限りますと、酢酸ナトリウムは大体58度くらいで個体から液体に変わって、融点というのはここにありますので、この間温度は変わりませんけれども、エネルギーを蓄えられるので、水と比べると3.6倍ものエネルギーがためられるという特質を持った物質でございます。システムの実証実験を、昨年度から2カ年やっております。昨年度は、室蘭工業大学さんの寮をお借りして、冬季の暖房の熱供給という形で実証実験をさせていただいております。今年度は、室蘭市さんの養護老人ホーム「あいらん」で給湯や風呂用の熱源として供給の実証実験をやっております。なお9月の26日に、地域に産業排熱という資源があることを身近に感じていただき低炭素社会の実現ということを市民の皆さんに興味を持っていただくという

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