平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告23 次に、FD専門委員会委員長 岩崎先生から、本研究会の趣旨説明があり、集団的、協同・連携的FDの実施を目指すことが示された。また、“ゆとり教育”による知識の習得が不十分な学生の増加に対し、学生責任型(学生の主体性に任せる)と教員責任型(教員の努力により落ちこぼれる学生を減らす)の2つのアプローチについて検討が必要であることが示された。学生の”分かる”および“分からない”ということの定義と責任の所在についても示された。 続いて行われたワークショップでは、工学部の討議に参加した。ここでは、都市工学科および機械システム工学科から発表があった。都市工学科はJABEE認定を受けており、認定時に、教育改善システムのPDCAサイクルが必ずしも明確でないことが指摘された。それに対して、 ・フレッシュマンキャンプ(4月) ・2、3年生アドバイジング ・定期教育改善会議(年4回) ・臨時教育改善会議(年1回) ・シラバス全体調整会議 ・シラバス個別調整会議の実施を明示的にするように改善を行った。これにより教育改善システムに効率的に機能させることができるようになったことが、まとめで述べられた。また、学力低下対策として、補習(時間外、ボランティアによる実施)が示された。機械システム工学科からは、以下のことを実施していることが報告された。 ・�機械システム基礎試験(3,4年生、M1の全員を対象にし、全員に同じ試験を課す。120分間。科目:数学、工業力学、材料力学、振動工学、機構学。単位とは無関係) ・�学科シンポジウム(大学祭中に実施、シンポジウム、ポスターセッション、学内見学会、懇親会) ・�カリキュラム検討(基礎科目必修・選択の調整、専門科目の学年配置の適正化) 学力低下対策として、必修・選択科目の検討、科目の細分化、基礎学力テスト結果のフィードバック方法の検討が挙げられた。 ワークショップの後、工学部、知識工学部、環境情報学部、都市生活学部および人間科学部の討論の結果が紹介された。知識工学部からは、大学院進学者数の増加させるため、進路ガイダンスの必要性が述べられ、環境工学部からは、低学年における“しつけ”型基礎教育の必要性、英語の授業の重視などが示された。都市生活学部からは、シュレッシャーズゼミにおける個別指導やノートPCを全学生に所有させてICT化(スマートスクール)することが示され、人間科学部からは、保育士や幼稚園教諭免許の取得がトップトプライオリティーになっていることが報告された。 この研究会の締めくくりとして、学長 中村先生の講評があり、教員・事務職員が一体となったサービスの提供などに触れられていた。 この教育改善研究会では、学部ごとに進められる様々な観点からの教育改善アプローチを発表し、情報・考え方を理解・共有することができ、FDにおける協同・連携を進める非常によい機会であると思われる。また、複数の学部において検討される様々な教育改善方法は、単一学部で構成される室蘭工業大学に所属する教員にとって、新たな発見が多く、この研究会参加で多くの貴重な知見を得ることができた。

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