平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
28/186

地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告26 前年度に製作され、ナンバープレートを取得し、公道走行が可能となった水素エンジンバスを用い、室蘭市内を公用車として走行することによる実証試験を行い、動力性能等、運行上の課題を摘出する。また寒冷地の環境を再現可能な環境試験室にて試験を行い、寒冷地において運行を行う上での課題を摘出する。 水素エンジンバス外観写真を図1に示す。試験に用いた水素エンジンバスは、圧縮水素を燃料として使用しており、容積74L、圧力35MPaの高圧タンクを屋根上に6本搭載している。このタンクは燃料電池車で実績のあるものが選定された。 高圧タンクからエンジンの噴射弁までの燃料配管は、燃料電池車のそれを参考にして、新・道路運送車両の保安基準「圧縮水素ガスを燃料とする自動車の燃料装置の技術基準」に適合するように製作した。図2に燃料配管系統図を示す。 図3に車両における水素燃料系統の配置を示す。車両は隔壁により、容器室、客室、エンジン室の3つに分けられている。屋根上の容器室には燃料用の高圧タンクが格納され、水素燃料はそこから減圧弁により2段階にわけて減圧された後にエンジンに供給される。また各室に水素漏洩検知器が設置されている。これにより水素の漏洩が検出された場合には、タンクおよび水素ラインの2箇所に設けられた遮断弁により、水素の供給が遮断される。このとき運転手は、漏洩警報機および警告パネルにより音と目視で水素が漏洩したことを知ることができる仕組みとなっている。 図4及び図5に車両に搭載した水素エンジンの出力およびトルクを示す。本エンジンは、最大出力点での比較では、ベースエンジンの約80%の出力を示す。また表1に、本エンジンのJVIA(日本車両検査機構)による排ガス試験結果を示す。本車両は廃棄後処理装置を有していないが、それでも規制値を大幅に下回る結果が得られた。 ■教育研究部会 活動報告 研究小委員会水素エンジンバス運行のための技術的課題解決(第2ステップ)東京都市大学 総合研究所 准教授 伊東 明美1. 平成21年度研究活動の計画2. 供試車両概要図1 水素エンジンバス図2 燃料配管系統図図3 水素燃料系統配置図図5 (b)水素エンジントルク図4 (a)水素エンジン出力

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です