平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告32媒をPEFCのカソードに用いてセル性能を評価したところ、12.4 mWcm-2の出力が得られることが確認された。4.1 MEA調製因子と水準 これまで広く用いられている電極材料であるナフィオン、Pt/C電極触媒、ナフィオンベースバインダーを用いたMEAの調製法が出力に与える影響を検討した。調製法の因子と水準を表2に示す。中動作膜、低白金触媒の開発後のMEA化のベースデータとすることが目的である。4.2 �高電流域の出力に対するMPL撥水性の影響 図4に示すようにPTFE含有率を高くすることで高電流域における出力電圧が安定し、出力も上昇した。しかし、撥水性があまり高すぎると、高電流域で出力が低下することが分った。4.3 触媒ペーストの水分量の検討 触媒ペーストの水分量の増加に伴い、図5に示すように低電流域と高電流域で分極特性が良くなる。溶媒として用いる水分を多くすることでナフィオン電解質の高分散が可能になっていると考えられる。しかし、触媒インクの水分量が高すぎると乾燥収縮時にインクの表面張力が高いためひび割れが発生する。この原因で高電流域における生成水がひび割れに浸み込み、触媒層にフラッディングを引き起こされたと考えられる。 4.4 触媒ペーストのイオノマー量検討 今回実験で使用した白金触媒に対しては、高電流域の分極特性によりN/Ptは1が最適との結果になった(図6)。N/Ptは1より低いイオン伝導性高分子電解質が少ない領域では、プロトン伝導性が低下し、N/Ptは1より高いイオン伝導性高分子電解質が過剰な領域では、ガス拡散性が阻害されると考えられている。 4.5 その他の因子の影響 上項で述べた調製法因子の効果に加えて、表2で示した他の因子の性能向上に対する効果の一覧を図7に示す。4.6 まとめ MEA調製時の因子が出力性能に与える影響を明らかにし、またANOVA(分散分析)による分散も明らかにした。ANOVAの検定結果から、選定した因子は有意水準5%で有意であることが判明した。4. 中温動作膜のMEA化にむけたMEAの 調製法の再検討およびANOVAによる評価表2 MEA調製因子と水準図4 MPL撥水性の影響図5 ペースト内水分量の影響図6 ペースト内イオノマー影響Cell Voltage (V)

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