平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告372.2. CNTコンポジット電極の調製 2.1で調製した高純度化CNTの分散液にピロール(Py)を加え、流動層セルによるin situ電解酸化重合あるいは化学酸化重合によりCNT/導電性高分子コンポジット(CNT/PPy)を合成した。この分散液を用い、CoをloadingしたCNT/PPy-Coコンポジットも合成し、再現性ある電極調製に必要となるCNT/PPyおよびCNT/PPy-Coインクを所定溶媒で調製した(写真1)。これに加え、CNT上における窒素含有異原子の効果を検討するためCNT/金属フタロシアニン(Me-Phc)分散インクも調製した。 CNT/複合酸化物コンポジット(M(I)xM(II)1-xCoO3型酸化物)合成用のインクは、CNT分散液に複合酸化物の前駆体を溶解させて調製した。2.3. コンポジット電極の酸素カソード特性の評価 試験CNTコンポジット電極の特性は、サイクリックボルタンメトリーにより酸素還元反応の全体的挙動を把握し、ダイナミックインピーダンス法および複素インピーダンス法により電極/電解質の界面容量測定による酸素吸着および還元中間生成物である過酸化水素種の動的挙動をそれぞれ検討した。なお、試験電極は、キャスト法あるいは電気泳動法によりグラッシ−カーボン上に成膜したものおよび焼成したものである。2.4.コンポジット電極のキャラクタリゼーション 試験極の幾何学的形状はSEMにより把握し、コンポジット形成の有無、組成は、ダイナミック−TG法により行った。3.1. コンポジットの膜電極化 : 試験に供するCNT/PPy-Co、CNT/ Me-PhcおよびCNT/MIMIICoO3コンポジット合成に対する分散液あるいは前駆体分散液の調製は、酸素電極の高性能、高品質化のみならず性能の再現性達成のためにも重要で、調製法を確立することができた。3.2. CNT/ PPy、CNT/PPy-Coコンポジット電極 : CNT/ PPy、CNT/PPy-Coコンポジットのダイナミック−TGの結果は、CNTのみあるいはPPyのみの結果とは異なるもので、CNTとPPyがコンポジット化していることを示唆するものであった。CNT/PPyコンポジット電極は、PPyの重合方法に依存した酸素還元特性を示すが、in-situ電解酸化重合および化学酸化重合法によるどちらの電極系も、過酸化水素生成過程を経る二段階の酸素還元反応過程で進行することが判明した。各反応過程は、CNT量、CNT/PPy比の影響を大きく受けるため、コンポジット電極における最適CNT量を決定し、次にコンポジット化させるPPy量の最適化を両重合法について実施し、値を3. 研究成果図2 酸—水素燃料電池特性図3 システムフロー

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