平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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は じ め に 東京都市大学と室蘭工業大学の戦略的大学連携支援事業の第2年度である平成21年度の活動が終了しました。この「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」は、国公私立大学間の積極的な連携を推進し、各大学における教育研究資源を有効活用することにより、当該地域の知の拠点として、教育研究水準のさらなる高度化、教育活動の質保証、個性・特色の明確化に伴う機能別分化と相互補完、大学運営基盤の強化等とともに、地域と一体となった人材育成の推進を図ることを目的としています。 このような支援事業の目的に即して、両大学の教育研究資源の相互利用による有効活用、事務局交流による大学運営基盤の強化、地域と一体になった人材育成を行うため、平成20年に10年先を見据えた3カ年計画として始まりました。 本活動報告書は、第2年度である平成21年度の活動状況を報告するものです。平成21年度は、教育面では専門分野の異なる教員が交換授業によって、それぞれの大学の授業カリキュラムを強化しました。例えば、東京都市大学工学部機械工学科で実績のある内燃機関について実践的な講義などを室蘭工業大学で行っています。両大学の教員で、教材の共同開発も行いました。研究面では、両大学の実験設備や研究実績を相互利用するによって新たに4テーマの共同研究が実施されました。例えば、北海道という地域特性のもとに初めて設置された室蘭工業大学のロケット実験場を利用した東京都市大学の小型ロケットの噴射実験が計画されています。 さらに、地域連携の一環として、室蘭市の協力のもと室蘭市内での水素燃料エンジンバスの試験走行が実施されました。多くの市民に試乗していただき、地元マスコミでも多く取り上げられ、地域連携の目的の一つが達成できたと思います。水素燃料エンジンバスにうれしそうに試乗する小学生を見ていると、室蘭市という地域社会を支える将来の人材を育成する種になっているのを実感します。 また、大学事務局間交流として教務、総務等の若手事務職員の相互派遣も実現しました。その報告によれば、派遣された事務職員には、相手方事務局の事務の進め方の違いが新鮮で、大きな刺激となったようです。さらに、交流職員の数と範囲が広がれば、なお一層の成果が期待されると考えています。 学生交流として、両大学のアイスホッケー部が共同で合宿を行って、交流を深めることができました。また、電気学会開催前日に、発表練習をかねて両大学院生による共同発表会が実施されました。 私立大学と国立大学という運営母体の違いを超えて、大学の社会的使命として「教育と研究に対する効率的な大学運営」を目指して行きたいと思います。この度の両大学の活動結果がより良い大学運営に、少しでも役立てることができれば幸いです。 今回の連携事業では、東京都市大学、室蘭工業大学並びに関係自治体である室蘭市の協力により、成功裏に終了することが出来ました。これらの方々に感謝するとともに、平成22年度もご協力をいただき社会の要請に応えられる「戦略的大学連携支援事業」を推進することにより自己変革して行きたいと思います。東京都市大学 工学部長 片田敏行2

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