平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告38決定した。電解酸化重合電極系が、還元電流値、on set potential、界面微分容量など総合的に優れた特性を示すことがわかった。これらの結果に基づき、CNT/PPy-Coコンポジットおよびこれを焼成したものを調製した結果、CNT/PPyの特性をかなり向上させることができ、カーボン-N-Mのハイブリッド化が酸素還元反応に有効であることが分った(図1)。電極系をカソードに用いた酸—水素燃料電池特性の一例を図2に示した。3.3. CNT/ Co-Phcコンポジット電極 : 本電極系もCNT/PPy-Co系と同様、焼成によって大きく特性を向上させることができ、ハイブリッド化の有効性が観測された。また、本電極系では、−0.2V付近に大きな酸素還元ピークが観測されるのみで、CNT/PPyコンポジット電極系で出現したHO2-の還元に対応するピークが観測されない興味深い特徴ある特性が見出された。3.4. CNT/ M(I)xM(II)1-xCoO3コンポジット電極 : 試験したどの電極系も、明瞭な2つの還元ピーク(酸素還元: -0.2V、過酸化水素の還元: -0.6V領域)を示すが、これらのピーク挙動は、複合酸化物の構成元素ランタノイド系金属Mの種類に依存することが見出された。特に、電極触媒劣化の大きな要因となる-0.6V領域の過酸化水素種の反応に、ピークのアノードシフトをもたらす等の大きな影響を与えるため、金属Mの種類、量等の検討は、電極触媒劣化機構の解明に重要な示唆を与えてくれることが分った。 PPyおよびCo-Phcとのコンポジット化は、各電極系に特徴ある性能をもたらし、電極の高性能化と高電流密度化に有効であることが判明した。複素インピーダンス挙動から解析された反応動特性は、ほとんどどの電極系においても、有限長の拡散過程を考慮した速度論的パラメーターの決定が重要であることを示唆した。3.5. 燃料電池系─水素吸蔵・放出系─水素製造系システ ムの設計・試作 : 燃料電池系、水素吸蔵・放出系および水素製造系を統合するためのシステム構成、仕様を決定し、図3のシステムフローで形成される写真2に示すシステムを構築した(水素製造系は、不純物除去装置の右側に設置される)。なお、試作システムの評価、改良は、各系の状況を考慮に入れながら実施する。写真2 燃料電池 ─水素吸蔵・放出─ 不純物除去システム

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