平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告50電圧とヒーターの抵抗値から求める。高温部と低温部の温度測定は熱電対を用い、作動流体圧力はひずみ圧力計を用いる。これらはアンプを通してPCでデータを取得する。ディスプレーサのDCモータを駆動する直流電源の電圧と電流からディスプレーサ駆動電力を計算し、発電周波数をディスプレーサ周波数とする。発電コイルからの発電電力は抵抗回路を利用して計測しPCで記録した。負荷抵抗としては250Ω、225Wの抵抗を用いた。3.1 基本性能 封入した作動流体圧力を1.0 MPaAで固定し、ディスプレーサの周波数を変化させたときの発電電力を、高温部を加熱するのに用いるヒータへの入力電力をパラメータとして整理したものを図3に示す。図より、ディスプレーサの周波数を増加させることにより発電電力が大きくなることがわかる。また、ディスプレーサの周波数を増加させることによる発電電力の増加の勾配は、ヒータへの入力電力が大きいほど急な勾配となる。 ディスプレーサの周波数を変化させたときの発電効率の変化を図4に示す。発電効率ηは以下のように定義した。Pout : 発電電力、 Pin : ヒーター投入電力Pdis : ディスプレーサ駆動電力 図4において一部の条件で効率が負となっているが、これはディスプレーサを駆動するのに必要となる電力Pdisが発電電力Poutを上回っていることを示す。ヒータへの入力電力が小さい場合、周波数の増加とともに発電効率が減少する。これは周波数増加に伴う作動流体の圧力損失の増加が原因であると考えられる。ヒータ入力電力を570Wとしたケースでは、ディスプレーサ周波数の増加とともに効率が増加する傾向がみられた。 図5、6に、同じデータを横軸を温度にとり整理したグラフを示す。単純な熱力学的サイクル解析により、スターリングサイクルの仕事Wおよび効率ηは以下のように表される。 ここで、mは作動流体の質量、Rは気体定数、Vmax、Vminはそれぞれサイクルにおける体積の最大値と最小値、Th、Tcはサイクルの高温部および低温部温度である。式(2)より、Tcを固定した場合サイクルの仕事は高温部の温度に比例する。今回の実験では発電電力がサイクルの仕事に相当すると考えられる。図5より高温部温度の上昇とともに発電電力が増加する傾向がみられるが、その傾向は単純な比例関係ではなく、温度の上昇とともに傾きが減少する傾向にある。これは高温部温度の上昇に伴う熱の逃げ等が原因と考えられる。一作動流体窒素・ヘリウム・水素作動流体圧力0.2~1.0 MPaA高温部温度230~600 ℃低温部温度10 ℃冷却水流量281 L/hエンジン回転数11.1~20 Hz 表2 運転条件3. 実験結果(1)(2)図3 ディスプレーサ周波数の変化による発電電力の変化図4 ディスプレーサ周波数の変化による発電効率の変化(3)

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