平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告58 図1は、2波長を利用した血流および血液濃度変化の同時イメージング法にかかる原理光学系である。波長780nmと830nmのレーザー光を生体組織に照射し、その散乱光により形成されるスペックル変動パターンを結像レンズ系、偏光フィルター、干渉フィルターを介してCCDカメラで撮像する。2つの画像データをフレームレートで一定の測定時間にわたり保存したのち、すでに提案した解析方式により血流(相対速度)と血液濃度変化を画像化する。しかし、図1の光学系ではレーザー光の照射角度、2台のカメラの撮影角度の違いと生体組織の湾曲面との幾何学的条件の不安定性のため、照射ムラ、輝度ムラなどの影響が大きく、安定したデータ取得が困難であった。そこで種々の検討を重ねた結果、図2に示すシステムを新たに構築した。ハーフミラーを用いることで光軸を一系統にし、2波長の画像間の位置ずれをほぼ抑制している。また従来は測定対象を鉛直方向に立てなければならなかった構成を、ミラーを挿入することで鉛直方向に設定して計測できるようにし、さらに腕や指などの測定部位に合わせた専用の固定ステージを作成した。これにより測定中の経時的なずれも軽減している。 また、2波長による画像の同時取得を行うための図3に示すような2-ch同時撮像実行用Windowsアプリケーションを完成させ、データ取得の環境を整備した。 以上の準備を踏まえて、次に、東京都市大学生体医工学科島谷研究室内実験室にて麻酔下の健常ラットの耳および脳を対象とした動物実験を実施した。最初は実験用測定光学系の配置確認、動物の測定部位確認、データ取得時の条件確認などを目的とした試行の位置づけで1-chによる撮像と血流単体のイメージングを試みた。図4は東京都市大学大学院工学研究科電気工学専攻2年生2名、および室蘭工業大学大学院工学研究科機械システム工学専攻2年生1名、計3名の大学院生による共同作業の様子である。図5は麻酔下ラットを実験台に配置させ、レーザー照射と画像撮影をコンピュータを介して行っている様子である。レーザー光の波長は830nm、出力10mWとした。3. レーザースペックル法による生体血流イメージング図1 レーザー血流イメージング原理光学系図2 改良後の光学系図3 2-ch同時撮像実行アプリケーションの画面図4 両大学の大学院生による共同実験作業の様子図5 麻酔下ラットによるレーザー照射と画像取得の様子東京都市大学大学院生の2名室蘭工業大学大学院生

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