平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告88 水素エネルギー研究を契機とした東京都市大学-室蘭工業大学-室蘭市の連携事業として10月20日から11月16日まで、室蘭市内を中心に約1,000㎞に及ぶ水素燃料エンジンバスの実証走行試験と水素エネルギー普及啓発事業を行った。 この東京都市大学が開発した水素エンジンバスは、二酸化炭素などの温暖化物質の排出はゼロで、走行時に排出されるのはわずかなNOxと水だけという極めてクリーンなバスで、一回の充填で約200㎞の走行が可能となっており、平成21年2月に日本で初めてナンバープレートを取得し、現在は世田谷と横浜のキャンパスを結ぶシャトルバスとして活用されている。 この実証走行試験に合わせるように東京都市大学、室蘭工業大学そして室蘭市が連携し、室蘭地域において展示試乗会や出前教室など水素エネルギーの普及啓発事業を展開し、延べ684名の方々に試乗いただいた。常盤小学校と地球岬小学校、豊浦小学校ではバスの試乗、水素の性質などを学び、室蘭工業大学と日本工学院北海道専門学校では水素内燃機関の研究開発について学ぶことができた。 また、市内ショッピングセンターや室蘭市青少年科学館では屋内展示、屋外展示と試乗会を開催し約200名の市民の方々に試乗いただいた。 その他水素エネルギー研究を行っている企業での試乗会や、さらには地球環境問題がテーマとなった洞爺湖サミット開催圏域として水素エネルギー普及啓発を兼ねて洞爺湖ビジターセンター、道の駅壮瞥情報館、伊達市役所でも屋外展示を行った。どの会場でも排ガスに手を当て、粉じんもなく、水蒸気しか出ていないこと、無臭であることを確認するとそのクリーンさに感嘆の声が上がっていた。 このたびの実証走行試験では北海道や急坂における貴重なデータが取得できたと同時に、地域の取り組みを内外にアピールできたこと、さらには地域の人々や児童生徒に水素エネルギーに関する普及啓発が出来たことによって、低炭素社会に向けた環境意識の醸成に確実に役立ったものと思われ、遠隔に立地する大学と地方自治体間による連携事業としては、画期的な取り組みとして評価されると共に、各機関のご尽力により円滑な事業実施が図られた。1. �水素燃料エンジンバス/水素ステーションの 概要及び走行データ○水素燃料エンジンバス種別/用途普通/乗合/自家用長さ・幅・高さ699・208・318cm定 員19人車両重量/総重量5,550/6,595kgエンジン直列4気筒SOHC水素エンジン排気量・最高出力4.7L・105kW(3,000rpm)タンク容量74L×6本=444L 最高充填圧力35MP水素充填量159N㎥ ※公道走行可能(水素燃料エンジンのバスとしては国内初)○水素ステーション(移動式)移動式水素ステーション畜圧機100L×5本=500L 最高充填圧力40MP水素畜圧量204 N㎥水素トレーラー2,600S㎥ 充填圧力 19.6MPa■地域連携部会 活動報告水素普及啓発事業概要室蘭工業大学 地域共同研究開発センター 特認准教授 関川 純人

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