平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
10/350

を引き続き実施した。特筆すべきは、作製した教育教材の効果について検討するために、平成22年7月29日に教材の制作を担当した田中康寛教授(東京都市大学機械システム工学科)が室蘭工業大学にて本教育教材を利用して、室蘭工業大学の学生20数名並びに関係する教職員に対して模擬授業を行った点である。模擬授業後には、その教育効果について両大学共同のFD会議を実施し、教育効果や改善点を検討した。4)教育研究会(FD)の開催それぞれの大学が実施しているFD研究会に、他方の大学の教員が参加する教育研究会の連携を実施した。東京都市大学において、平成21年9月7日に実施した教育改善会議に室蘭工業大学から1名の教員が参加し、室蘭工業大学においては9月29~30日に行われたFDワークショップに、東京都市大学から3名の教員が参加し、それぞれの研究会において活発な意見交換を行った。FD研究会に相互に参加することで、自大学のみの議論に終始する傾向があるこの種の研究会に、他大学からの新しい意見を取り込むことができたことに加え、会議においても適度な緊張感と活気を与えたと言える。また、FD会議担当教員の交流が深まることで、次年度以降の取り組みについての議論を深めることができた。平成22年度には、先に述べたように、教育教材の導入の効果を諮るための模擬授業と、これに連動したFD会議を室蘭工業大学にて実施した。東京都市大学からFD委員会のメンバー3名と室蘭工業大学の教員5名がこれに参加した。会議では、教育教材の効果について議論するとともに、今後の活動について議論が行われた。5)国内・海外研修プログラムの実施学生交流の一環として、いずれかの大学の国内・海外研修プログラムに他方の大学が相乗りする研修プログラムの連携開催事業を実施した。平成21年3月には、ヨーロッパ語学研修を実施した。この語学研修は平成22年3月1日から3月18日の18日間に亘って、ドイツを中心に計4カ国を訪問するものであり、室蘭工業大学から15名、東京都市大学から11名の学生が参加した。研修内容は主に語学学習や見学・交流である。なお、宿泊時には両校の学生が相部屋となるようにセッティングするなどの工夫によって、学生間の積極的な交流が行われ、高い満足度を示す研修になった。また、本語学研修は平成23年(3月2日~21日)にも実施され、室蘭工業大学から11名、東京都市大学から8名の参加者を得た。平成22年8月にはオーストラリア・ロイヤルメルボルン工科大学への語学研修が行われた。東京都市大学大からの参加者は1名であったが、秋山義典教授(東京都市大学・リテラシー)が引率者として同行した。また、語学研修ばかりでなく、東京都市大学にとってはユニークな農業体験研修も実施した。これは、平成21年8月25日(火)から10日間に渡り、北海道の新冠町で農業実習が行われたものである。本実習は平成13年度から室蘭工業大学で社会体験実習の授業として取り組まれている。平成20年度は「都会の学生にとって魅力的な実習である」として、連携支援事業の一環として初めて共同教育プログラムとして実施された。本実習には室蘭工業大学からマレーシアからの留学生1人を含む14人に加え、東京都市大学から2人の合計16人が参加した。参加学生は酪農、水田、畑作、軽種馬などを営む農家10軒に分かれ、各農家に寝泊まりしながら農作業に励んだ。参加した学生のほとんどは農作業の経験は無く、聞くも見るも触るのも初体験の連続であった。わずかな実習期間ではあったが、これらの自然や動物からの恩恵を体現できたことは大変有意義であったとの報告が得られている。なお、平成22年度にも実施する計画であったが、口蹄疫等の家畜伝染病の流行もあって実施は見送られた。国内・海外を問わず、このような連携事業は、学生にとっては研修メニューの増加になり、主催者にとっては応募者数の増加を目論むことができ、事業担当者にとっては遠隔地連携のデメリットが消せるため、10年の連携継続には有効な手段となるものと考えられる。研修募集の周知が未だ十分でないため、参加人数が少ないが、継続連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会8

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です