平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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8に示す。解析結果は擬似カラーにより血流の高低を赤―青に対応させて表示してあり、血管にそった血流の活発な様子が明確にイメージングされていることが分かる。これが血管の画像ではなくて血流の画像であることを確認するため、実験終了後に呼吸停止させた12分後の同部位イメージングを行った。その結果は図9に示す通り、図8に見られた血管パターンが観察されておらず血流がほとんど停止していると考えられる。切開した頭部における同様の結果の一例を図10に示す。比較的活発な血流に応じた赤―緑の表示部分が多く見られるが、図11の呼吸停止5分後の同部位イメージングをみると、耳部と同様に血流が停止している様子が推察できる。 図12は、22年度あらたに改良したレーザー2波長利用型血流・血液濃度変化同時イメージング法にかかる測定光学系である。半導体レーザーヘッドからの出射ビーム光を生体組織に直接照射し、その散乱光をCCDカメラで撮像する。ここでは、干渉フィルター、偏光フィルター、結像レンズ系を一体化する機構設計を行い、特注により製作した。これにより、2チャンネルの撮像光学軸の調整が極めて簡易化され、動物実験の測定効率が格段に向上した。 以上の改良光学系を用いて、東京都市大学にてあらためて麻酔下ラットの咽頭部での実験を実施した。図12左下写真に示すように、測定部位を切開して縦に走る総頚動脈を中心とする35×35mm2程度の領域を対象とした。近接して走る迷走神経に電気パルス刺激をすることでほとんど心拍を停止させた状態を10秒ほど設定して血流を変化させる実験を行った。心拍の停止は心電図をモニターすることで確認した。 実際の実験にあたっては、室蘭工業大学での事前の予備実験確認、室蘭から東京都市大学への機器発送、当日の機器組み立て・調整と実験準備、測定プロトコル、動物の準備、データ取得、後片付けなど、両大学の学生がすべて主体となって行われた。図13は構成した光学系の様子、図14は東京都市大学と室蘭工業大学の学生による共同実験作業の様子である。図6 ラット耳部の測定図7 ラット頭部の測定図8 麻酔下ラット耳部の血流イメージング図9 呼吸停止12分後の同部位イメージング図10 麻酔下ラット切開頭部の血流イメージング図11 呼吸停止5分後の同部位血流イメージング図12 レーザー血流計の改良光学系と麻酔下ラット咽頭部図13麻酔下ラット実験用の光学系設置の様子図14 両大学の学生による共同実験作業の様子連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会99

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