平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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平成21年度は大学院博士後期課程学生1名を中心に、3名の学部生の4名で研究グループを形成し活動を実施した。平成22年度の活動は卒業研究として本課題を実施する室蘭工業大学の学部4年生を中心に大学院博士前期過程1名で本課題を主担当とするグループを作り、さらに大学院博士前期課程学生1名、学部生1名で鉄鋼研究グループを形成して活動を行った。これらの学生グループを室蘭工業大学教員2名、東京都市大学の教員1名で指導する形で研究を実施した。室蘭工業大学の幸野豊教授がイオン照射実験と微細組織観察を、東京都市大学白木准教授がハーフサイズシャルピー試験を担当し、結果をまとめて学部生の卒業研究として発表を行った。学部生が大学院に進学しており来年度以降も修士論文研究テーマとして活動を継続する。 本課題大きな成果として低Si含有A508鋼、およびA508鋼相当鋼の50kgVIM溶解による製造条件を確立したことが挙げられる。平成21年度は溶解条件と熱処理条件とを決定できたが、決定された条件で製造された低Si含有A508鋼の引張やクリープ試験、破壊靭性試験等のより詳細な特性評価が必要とされる。イオン照射材の照射効果をSP試験を用いた検出の可能性も示された。平成22年度は製造した低Si添加鋼の基本特性評価を実施し、引張強度、靭性ともA508鋼Cl.3材に相当する鋼材が得られていることを確認した。本課題の成果を踏まえて日本製鋼所と連携して低Si添加鋼の実用化のための道筋の検討を行ない、また競争的資金を利用して更なる鋼材溶解と長期的な評価を実施する。来年度以降の大学における研究活動としてイオン照射実験を使った欠陥蓄積による微細組織および硬度変化の評価、及び析出挙動の詳細な評価を透過電子顕微鏡やナノインデンター装置、SP試験、および東京都市大学との協力を継続して微小試験片による破壊靭性評価技術開発を実施し、将来的な長期の中性子照射実験のための基礎的な材料および評価技術を蓄積する予定である。本課題の活動の体制と分担について3まとめと将来の計画4図6 低Si添加鋼およびA508相当鋼のハーフサイズシャルピー衝撃試験結果図8 A508鋼Cl.3イオン照射材のSP試験における荷重-変位曲線図7 低Si添加鋼の290℃、10dpaにおけるイオン照射後の転位組織連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会106

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