平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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戦略的大学連携支援事業「遠隔に立地する大学の教育・研究活動の連携 ─水素エネルギー研究協力を契機にして─」に関する外部評価報告■ 評価委員会東京都市大学(代表校)と室蘭工業大学(連携校)および室蘭市(関係自治体)の3者によって実施された「戦略的大学連携支援事業」の終了にあたり、その実績の外部評価を実施したので、評価結果を報告する。この外部評価は、3者から共同で提出された活動報告書と、平成23年3月26日に、東京都市大学で開催された外部評価員会での事業説明と質疑応答、さらにその際要求され、後日送付された追加資料に基づき、次ページに記載する評価委員が評価を行い、その結果を集約し、委員会の総意として判定した評価結果である。平成23年3月31日連携事業外部評価委員会 委員長 小間 篤委員長小間 篤(独立行政法人 科学技術振興機構 研究主監)伊澤達夫(東京工業大学 副学長)青山 剛(室蘭市 市会議員)馬場直志(北海道大学 工学研究院長)岸徳光(室蘭工業大学 教授)白木靖寛(東京都市大学 教授)本連携事業に対する総合評価を、S 非常に優れているA 優れているB 標準的であるC やや不十分であるD 不十分であるで行うと、「S 非常に優れている」と結論できる。本事業は、2つの点で大変特色ある事業である。その第一点は、都市型の私立大学と地域の地方大学という、設置形態も地域環境も大きく異なる大学間の連携という点で、教職員や学生の相互交流を介して、両者の優れた点を互いに実感する機会を得て、それぞれの大学の改善に大いに寄与した点である。第二点は東京都市大学が開発してきた水素エンジン駆動のバスとトラックを、室蘭工大及び室蘭市の協力を得て、室蘭という寒冷地での実証運転試験を実施して、水素エンジン駆動自動車の改善に大きく寄与する一方、室蘭市の協力のもと、地域住民や生徒の環境教育に役立てることができた点である。これらの成功により、本事業は当初の目的を十分達成できたと評価する。なお、個別の項目をみると、当初の事業計画のうち実施できていないものが散見されるが、これは、予算規模の縮小に伴う結果や、自治体の受け入れ体制が整わなかったための結果であり、事業実績の評価を下げる要因ではないと、判断される。教育研究部会三つの小委員会、すなわち、プログラム・カリキュラム小委員会、研究小委員会、学生交流小委員会がそれぞれ機能的に分担して、それぞれの事業が十分に推進されたと判断される。プログラム・カリキュラム小委員会に関しては、毎年相互に10名を超える教員によって交換授業が行われるとともに、FD研究会への相互参加、教材の開発、さらには学生の交流を活発に実施しており、高く評価できる。研究面では、水素エンジンバス及びトラックの開発と、その市街地走行テスト、さらには市民啓発活動への活用は、大変高く評価できる。本事業を通じて、水素エンジンにかかわる問題点を解決できただけでなく、その実用性が実証できたことの意義は大変大きい。また、そのほかのテーマも両大学の特徴を生かした共同研究が立案され実施できており、連携事業にふさわしい実績が上がっている。なお、研究成果発表に関しては、テーマ間にかなりばらつきがあり、論文発表の無いものもあるので、事業終了後もきちんとフォローすることが望まれる。はじめに1連携事業外部評価委員会メンバー(敬称略)2各部会活動の評価4事業の総合評価3連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会136

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