平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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から直接講義を受ける機会を得て、異なる専門の知識を得たり、他大学の研究・教育の動向を知ったりするなど、新たな刺激を受けることができた。これらを通して、学生が自らの専門領域の奥行きの深さを知ることとなり、学生の学習意欲が増進するとともに、複眼的な物の見方が醸成された。また、専門が近い両校の教員が本連携講義を通して、一層交流を深めることができたと言える。2)教育教材共同開発ならびに教育研究会の実施昨年度実施した教育教材の作製を本年度においても引き続き実施した。すなわち、工学基礎教育をターゲットとしたステーショナリー兼用の簡易教育教材を作成することである。今年度は、特に作製した教育教材の効果について検討するために、平成22年7月29日に教材の制作を担当した田中康寛教授(東京都市大学機械システム工学科)が室蘭工業大学にて本教育教材を利用して、室蘭工業大学の学生20数名並びに関係する教職員に対して模擬授業を行った。模擬授業後には、その教育効果について両大学共同のFD会議を実施し、教育効果や改善点を検討した。3)国内・海外研修プログラムの実施平成22年度末に実施したヨーロッパ語学研修について報告する。この語学研修は、クラウゼ小野准教授(室蘭工業大学)と杉本裕代助教(東京都市大学)の引率の下、室蘭工業大学から11名,東京都市大学から8名の学生が参加した。本研修は平成23年3月2日から3月21日の18日間に亘って、ドイツを中心に計4カ国を訪問するものであり、21年度に引き続いて2度目の実施となる。本研修はドイツNGO団体の協力により実施されたものであり、語学学習や見学・交流が行われた。移動や宿泊の形態は非常にカジュアルであり、ヨーロッパの遠足を彷彿とさせるものであったが、それが旅の一つの面白さにもなっていたようで、学生は英語が伝わる喜びや、伝わらなくても何とかなるという気楽さの両方を体験することができたようである。また、本研修時では、事前にe-learningシステムの一つの形態であるMoodleを利用して、情報交換を行っていたこともあり、両校の交流はスムーズに行われたようである。本システムは今後の進めるべき連携事業として検討する必要があることが分かった。また、平成22年8月にはオーストラリア・ロイヤルメルボルン工科大学への語学研修が行われた。東京都市大学大からの参加者は1名であったが、秋山義典教授(東京都市大学・リテラシー)が引率者として同行した。国内・海外を問わず、このような連携事業は、学生にとっては研修メニューの増加になり、主催者にとっては応募者数の増加を目論むことができ、事業担当者にとっては遠隔地連携のデメリットが消せるため、10年の連携継続には有効な手段となるものと考えられる。研修募集の周知が未だ十分でないため、参加人数が少ないが、継続的な実施によって本事業が連携活動の中心となることも考えられる。4)セミナー(連携研究発表会)の開催平成22年9月4日に室蘭工業大学において,東京都市大学都市工学科と室蘭工業大学建設システム工学科土木コースの学生交流を目的とした連携研究発表会を室蘭工業大学の主催で開催した。参加者は、東京都市大学から学生25名、教員8名、室蘭工業大学から学生30名、教員9名であった。この連携研究発表会は、9月1日(水)~9月3日(金)の期間に札幌で開催された土木学会年次学術講演会に併せて開催されたものである。研究発表会は、9:30~12:10の時間帯で行われ、土木工学に関する研究発表として、「構造・コンクリート材料系」、「計画・河川・海岸系」、「地盤系」について3会場でパラレルセッションの形式で行われ、それぞれの会場で日頃の研究成果を発表し、活発な討論がなされた。また、懇親会終了後には大規模港湾施設を見学する目的で苫小牧港西港区のフェリーターミナルや北埠頭緑地などの港湾施設を見学した。連携研究発表会を行うことにより、学生は外部での貴重な発表機会を得たことに加え、他大学教員から異なる視点での意見を受けたり、他大学の研究状況をうかがい知ることができたりする良い機会となり、複眼的な視点を養う効果があった。また、これらの発表や見学会を通して、両校連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会159

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