平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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学生の交流が図れたといえる。5)学生課外活動交流の実施 平成22年8月26日から5日間、東京都市大学と室蘭工業大学の卓球部が東京都市大学世田谷キャンパス体育館で合同練習を実施した。参加部員は、室蘭工業大学(10名)と東京都市大学(9名)である。両大学による対抗戦や互いのメニューで練習を実施するなど、両校のチーム力の格段の向上が図れたことに加え、両校の部員間の交流が深まったと言える。また、技術的な面の向上ばかりでなく、このような交流活動を企画・実施した経験が貴重であったとの感想も得たことから、このような学生の課外活動の連携は活動の活性化や社会的儀礼等を学ぶ上で有効であることが確認された。6)連携研究開発本事業は研究開発を通して、学生にOJT教育を行うための事業であり、平成22年度においては次の8つのテーマを実施した。内容の詳細については後述するが、このような技術開発参画型の連携教育研究を通して、学生はそれぞれのテーマを深く追求するだけでなく、他大学の教員や他機関の研究員との議論や打ち合わせ等を経験し、研究開発力やコミュニケーション能力、時間管理能力などを鍛えることができたと言える。研究課題とその概要は次の通りである。・ 水素エンジン搭載自動車運行のための技術的課題解決:これまでに実施した室蘭走行実験と冷温実験室での走行実験より得られた結果を分析し、明らかとなった問題点を解決した。次いで、水素エンジンマイクロバスを首都圏内ならびに室蘭市内(夏季および冬季)において走行させた。加えて、燃費性能を抜本的に改善するために新たにハイブリッド水素エンジン搭載の中型トラックを試作して、室蘭市内を試行的に走行させた。・ 定置式燃料電池の要素技術課題解決:両大学がそれぞれ開発してきた燃料電池の要素技術の成果を集積して、システム化を行った。平成22年度にはリン酸処理石膏をプロトン伝導体とする中温動作電解質膜の開発と、有機金属錯体を用いたアノード用白金合金触媒の性能向上評価、アルカリ形燃料電池用新規電解質膜の開発を実施した。・ 燃料電池性能向上の技術開発:燃料電池の高効率化、長寿命化、低コスト化に向けて、酸素カソード極の非白金系電極触媒の開発と高性能化、電解質側海面では水管理システムを不要とし広範な非白金系電極触媒の活用が可能となる無加湿中温域で作動する塩基性固体高分子型電解質膜の開発を目的としている。平成22年度は、エアロゾル支援熱分解CVD法により合成したCNTと導電性高分子等とのコンポジット化を図り、化学的に構造制御された燃料電池用酸素カソード極触媒の開発を行った。・ 水素製造・貯蔵技術の開発:水素製造技術の開発である廃アルミニウムと水からの水素製造法について、低コストで常温反応による廃アルミニウムと水との反応温度と攪拌条件の最適条件を検討し、小型反応機による発生水素を直接高圧貯蔵する方法を開発した。平成22年度には、ステンレス反応器を用いた水素生成反応のスケールアップと、燃料電池システムの作動に必要な雲梯条件の最適化について検討した。また、マグネシウム・ニッケルによる水素吸蔵合金を検討し、ニッケル添加量が水素放出温度に与える影響について評価した。・ 宇宙用スターリングサイクルエンジン発電機の教育研究:スターリングサイクルエンジン発電機および集光・放熱器の研究を実施した。平成22年度には、発電機に取り付ける負荷抵抗の変化による発電性能の違いに着目して実験を行った。また、軌道上でこの発電機を運用する際に必要となる蓄熱装置についても装置を製作して実験を実施した。・ 銅酸化物超電導体及び金属間化合物超電導体における新奇なディスオーダー効果に関する教育研究:新奇な超電導体(銅酸化物、MgB2、希土類化合物連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会160

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