平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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超電導体)に対するディスオーダーの影響を系統的に調べることが目的であり、平成22年度はLa系銅酸化物超電導体とCeRu2Si2希土類化合物超電導体に着目し、電気計測や磁化測定を実施した。・ 生体組織の光学特性及びエネルギー伝搬特性に関する教育研究:生体の皮膚組織を介した生理情報の光学的計測技術の向上に関する研究を実施した。22年度は主に21年度に実施した動物実験から得られた課題として、撮影光学系の一体化を行い、麻酔下ラットによる血流イメージングを行うとともに、生体組織に対する光のエネルギー伝達深度に関するシミュレーション手法の開発を行った。・ 原子炉圧力容器用鋼におけるSi(シリコン)添加量の教育研究:原子炉圧力容器用鉄鋼材料におけるSiやMnの照射脆化への長期的な寄与は明らかになっていないことを考慮し、高経年度化対策や次世代原子炉材料の開発のための研究として、低Si含有A508鋼とA508相当鋼の機械特性を評価するとともに、イオン照射実験を実施した。7)連携取組内容の公開(HPの更新)昨年度に引き続き、本事業の連携取組内容・成果を両大学ならびに広く一般に対して公開することを目的として、逐次ニュースを公開した。平成22年度は10件のニュースを報告した。このようなHPの公開では、本事業の取組内容を積極的に情報発信したことで学生や広く一般に本事業の成果を示すことができた。8)水素普及啓発事業の実施 地域連携部会では、昨年度に引き続き、東京都市大学・室蘭工業大学・室蘭市の連携事業として、平成22年11月1日から29日までの期間に、室蘭市及び西胆振管内を水素エンジンバスで走行する試験を実施した(走行距離約1,070km)。水素エンジンバスは、昨年度の走行データの分析を踏まえて、登坂におけるギアの最適化を図る改良が加えられた。また、平成22年11月12日から29日の期間には、全国初となる水素ハイブリッドトラックの実証走行試験を実施した。本試験は、室蘭地域の食料品スーパーであるコープさっぽろの協力によってなされたものであり、約617kmの走行距離となった。これらの実証走行においては、走行データを取得すると共に、今後の水素・電気自動車に関する教育研究に反映させることを目的とした。また、実証走行の機会を活用し、両大学と地域の連携事業として西胆振地域等において児童生徒を中心とした環境学習を含めたクリーンエネルギー普及啓発の機会を設けた。12校での出前授業や14校での展示試乗会の開催、3つの市民・企業向け試乗会の開催を行い、延べ1,278名の試乗者を数えた。このような水素を始めとしたクリーンエネルギー普及啓発活動を行うことにより、地元自治体における地球環境、温暖化問題への取り組みに関する環境意識の高さを全国に発信できるという地域振興効果と、地域の児童生徒や市民に対する環境教育の普及啓発の効果が期待できる。また、東京都市大学において開発に携わった学生が説明等を行うことによる都市部学生と地方住民との触れ合い体験が図られると共に、学生のプレゼンテーション能力の向上という教育効果も図られる。さらに、室蘭工業大学の学生にとっては水素内燃機関を直接見て触れる機会が与えられる教育効果が期待される。9)事務職員の相互派遣の実施及び委員会の開催 本年度も昨年度に引き続き、事務職員の長期派遣事業を実施した。期間は、平成22年9月16日~11月12日の約2ヶ月間であり、東京都市大からは竹内良平氏(世田谷キャンパス・管理課)、島田則明氏(同キャンパス学生支援課)の2名が室蘭工業大学の関連する部署(管理部門及び学生支援部門)に派遣された。一方、室蘭工業大学からは狩野悦子女史(施設グループ工営ユニット)、坂下健史氏(学生室学生ユニット)の2名が東京都市大学の関連部門に派遣された。本研修終了後、それぞれの大学におい連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会161

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