平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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した。そのときの意見を以下に示す(抜粋)。・ 立体に対する認識が学生に欠如しており、ベクトルの教材開発が必要である。・ rotを教材で取り扱えるか?・ 円柱モデルをカットして定規で長さを計測できるようなモデルが開発できないだろうか・ 教材をペーパクラフトにしてはどうか・ 大人数教室で教材を使用する際には、学生の手を動かす工夫が必要である(学生を授業に積極的に参加させる工夫)・ 学生と教員が打ち解けるのに60分くらいかかった。FD研究会の後、FD情報交換会が開催され、和らいだ雰囲気の中で両大学のFD活動に関する情報交換がなされた。 2.1 実施概要実施日時:平成23年2月11日(火)10:45~12:15 教材を使った講義(オイラーのモデル:90分)実施場所:東京都市大学125教室講義名:オイラーのモデルと円偏光 ~光学モデル入門~対 象:東京都市大学 工学研究科 M1:15名講義実施:東京都市大学 田中康寛 教授(報告者、プログラムカリキュラム小委員会委員長)2.2 実施の背景平成22年度に、標記の「戦略的大学連携支援事業の活動」の一環として、教育教材を開発した。平成22年度に作成した教育教材は、オイラーのモデルであった。教材開発の狙いは、数学や物理の概念を立体的に表示したモデルを観察することで、その概念の意味を理解させ、講義の理解に役立てることであり、今回取り上げた教材開発の具体的な狙いは、sin波とcos波を立体的に直交して組み合わせることで、らせん形となることを理解することで、液晶デバイスなどで使用されている“偏光”のイメージ、特に円偏光についてのイメージを持たせることである。そこで、今回の試験的講義の目的は、この教材を使った講義により、上記の目的を達成できるかどうかを評価することにある。2.3 講義実施の模様講義実施当日は、東京都市大学工学研究科の科目、“センサ工学特論”において行った。ただし、今回は、テストとして大学院生を対象に行ったが、今後、この講義は大学3年生を対象として実施する予定である。また、取り上げた題材の一部は、電気系の科目を意識して構成していたので、電気系の学生でない学生には、若干興味のない内容であったかもしれない。ただし、基本的には工学部の“教養”的な内容であるため、まったく理解できない分野ではないと思われる。報告者がこのモデルを設計し、製作を業者に依頼したが、半分だけ作製した段階で不具合が生じたために、納入が予定していた期日に間に合わず、半分ずつの個数の納入になるなど、いくつかトラブルが生じたが、一応予定通り、22年度内に講義で実践する機会を得られた。ただし、今回このモデルを使った講義が初めてであったため、講義の細かい点においては工夫が足りない部分もあり、また、学生も初めての講義なので若干緊張していたこともあって、報告者自身としては50%ぐらいの出来であったと考えている。 学生は、ある程度理解しているモデルについての講義であったので、理解度が高いと思われたが、このような立体的な概念に初めて接する学生に対しては、もう少しモデ図3 ベクトル解析の講義の様子(その2)図4 フーリエ級数の講義の様子教育教材を使った講義の試験的実施22連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会171

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