平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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平成22年8月23日、24日に開催された第7回室蘭工業大学教育ワークショップに、本学から川口和英准教授(都市生活学部)、石井智子講師(人間科学部)、小川順子特任准教授(女性研究者支援室室長)と大上の4名が参加した。本学からの参加は昨年度に引き続き2回目である。今年度の教育ワークショップは「多様化している学生にどう向きあうか」をテーマに、様々なプログラムが準備されていた。室蘭工業大学からは新任教員6名、各コース選出教員13名、運営スタッフ10名が参加した。二日間のプログラムは、会場である洞爺湖畔のホテルに向かうバス車中で行われた自己紹介とオリエンテーションから始まった。会場に到着後、室蘭工業大学佐藤一彦学長の挨拶に引き続き、ミニ講義「ワークショップについて」が行われた。今回のテーマである「学生の多様化の背景」、「室蘭工業大学におけるFD活動の解説」および「ワークショップの進め方」について説明された。アイスブレ-キングでは参加者全員でゲームを行い、初対面の教員同士の気持ちを解きほぐし、参加者全員が一体感を持つようになった。5~6名で1グループとなり、4グループが構成された。グループのメンバーは学科・年齢に偏りがないように予め決められており、本学からの参加者はそれぞれのグループに1名ずつ入った。グループの名前作りからグループワークが始まるが、この作業によってグループへの所属意識と連帯感が醸成された。このような導入部分は、その後に続くプログラムを効果的に行うための準備として考えられたものであり、今年度で7回を数えるこのワークショップのこれまでの経験に基づくものであると感じた。プログラムの核となるワークショップは、今年度は次に述べる3つのワークショップが行われた。どのワークショップもグループワークであり、毎回、司会者・記録者・発表者の役割分担をローテーションで決め、全員参加で行われた。ワークショップごとに必ず全体へのプレゼンテーションがあり、それぞれのグループでディスカッションした内容も参加者全員で共有した。学生の多様化によって教員が直面している問題を共有するとともに、それらの問題に対して教員同士互いの考え方を知るために、次のようなゲームを行った。例えば、「講義中、机にうつぶせで寝ている学生を見つけました。他の学生はまじめに講義を聞いているようです。あなたは寝ている学生を起こしますか? Yes(起こす)、No(起こさない)」という問いに対して、各自が「多数派意見」だと思う方(YesまたはNo)のカードを一斉に出し、一人ずつ、なぜそのカードを出したかについて簡単に説明し、全員でフリーディスカッションを行うものである。問いはグループ全員が、日頃悩んでいること、判断が難しいと思うことを一人一問以上作成する。このゲームによって、学生の問題点が浮き彫りにされ、さらに、教員は学生への対応について様々な問題に直面していることが分かった。また、その対応について多数派意見であると思うかどうかも教員によって異なり、教員の考え方も多様であることを再認識した。グループワークの結果を発表し、質疑応答の時間が持たれた。これにより、他のグループの意見を聞くことができ、内容を幅広く捉えることができた。WS1で発表された学生の多様化によって生じる問題の中から重点化して考えるべき課題を抽出し、問題の重要性や背景を分析するとともに対応策を考えた。その一例を次に示す。「必修科目のレポートが不合格となった4年生がいる。締切りを過ぎても再提出レポートをまだ提出していない」という問題に対して、その背景には学生の①学力不足、②低年齢化、③自己認識不足、④孤立化があり、教育システムとし教育ワークショップに参加して東京都市大学 工学部 教授 大上 浩■ 教育研究部会 活動報告 プログラム・カリキュラム小委員会プログラムの概要1WS1 クロスロード・ゲーム2WS2 多様化している学生への対応3連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会177

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