平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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ては、⑤教育レベルの維持の困難化 などがあると分析した。その対応策として、短期的には、①学生に対する個別指導の強化、②教員間の連携の深化、中・長期的には、③カリキュラムの検討、④科目間連携の再検討、⑤リメディアル科目の再編成 などが提案された。具体的な事例は工学部の学生やカリキュラムに関するものが多かったが、その背景にあるものは共通する点があり、複数の学部を持つ本学にも当てはまるものであった。様々な学生が履修しているクラスの講義を担当する想定で、第1回目の講義で行うガイダンスの内容をグループワークでディスカッションした。講義科目は予めグループごとに、開講学年、必修・選択の別、共通科目・専門科目の別、履修者数などが設定されており、その講義におけるガイダンスの位置付けを考慮することも含まれていた。まとめ上げたガイダンスの内容を模擬授業として教員役がプレゼンテーションし、参加者全員が学生の立場となって質問するロールプレイングゲームを行った。最後にプレゼンテーションで示されたアイディアについて意見交換し、全学で取組むべき課題についても議論した。このワークショップでは、クラスにおける少数派を「マイノリティ」と呼ぶことにして進められた。例えば、留学生、工学部の女子学生、授業についていけない学生などがマイノリティである。各グループは必ず何らかのマイノリティを設定し、それらの学生に対する配慮や工夫、対応策を考慮した授業ガイダンスを準備した。また、ロールプレイングゲームではマイノリティ学生の立場からの質問が多かった。今年度参加した教育ワークショップの特徴は、まずプログラムの組まれ方である。参加者は、①問題事例の共有・多様化の再認識(WS1)、②課題の抽出・背景分析・対応策の検討(WS2)、③多様化する学生を意識した具体的な授業の組立(WS3)と、ワークショップのテーマについて教育改善のプロセスを段階的にゲームなどを通して主体的に係わりながら体験する。次にグループワークを通じて、学科・年齢を超えた教員間の交流ができる点にある。寝食を共にする宿泊研修では、さらに教員間交流を深めることができる。このようなプログラムを成功させるためには、企画から実施に至るまでのスタッフの綿密な計画と周到な準備、役割分担とその進行が欠かせないが、それを見事に成し遂げているのは、これまでの経験によるものであると実感した。国立と私立、単一学部と複数学部、東京・横浜と室蘭という大学運営や地域が異なっても、学生や教員が日頃直面する問題には共通点が多いことを再認識し、今回の教育ワークショップに参加して学ぶ点は多かった。WS3 多様な学生諸君に講義する4まとめ5連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会178

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