平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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図2 水素ハイブリッドトラックの構造平成20年度に製作された水素エンジンバスを用い、平成21年度には室蘭市内における実証試験により当該車両の有する課題の明確化を行った。今年度は、明らかになった課題の解決を目的に、種々の施策を採用した新たな車両を製作し、実路走行試験により効果確認を行うこととした。前年度までの研究により、以下の課題が明らかになっている。これらの詳細については「平成21年度戦略的大学連携支援事業活動報告書」を参照されたい。a)エンジンの低速トルク不足b)点火ケーブルの耐久性不足c)低温時の信頼性不足等今年度は、上記a)およびb)の改善に取組んだ。なお低温時の信頼性不足に対しては、水素燃料関連部品が低温に対応していないことが主たる要因であり、かつ材料変更や作動電圧変更等の細かな仕様変更で対応が可能であると思われたため、研究としては取り上げなかった。3─1 研究方針エンジンの低速トルク不足の対策として、電気モータにて低速トルクをアシストするハイブリッド方式を採用することとした。さらに今回はトラック用エンジンとしても過不足なく使用できる性能を目指し、最高出力の向上にも取組んだ。また点火ケーブルの耐久性不足に対しては、耐久性が保証されている市販の点火システムで、従来のバックファイア対策ケーブルに代わるものの検討を行った。3─2 水素ハイブリッドトラック構造水素ハイブリッドトラックの外観写真を図1に示す。ベース車両は日野自動車株式会社製デュトロハイブリッドである。燃料は水素エンジンバスと同様に圧縮水素を採用している。エンジン整備性確保のためキャブバックに燃料用高圧水素タンクを搭載した。タンクおよび燃料配管は実績のある水素エンジンバスの仕様を踏襲した。図2に水素ハイブリッドトラックの構造を示す。キャブバッ水素エンジンバス運行のための技術的課題解決(第3ステップ)東京都市大学 総合研究所 准教授 伊東明美■ 教育研究部会 活動報告 研究小委員会平成22年度研究活動の計画1水素エンジンバスの課題2新たな水素自動車─水素ハイブリッドトラック─3図1 水素ハイブリッドトラック外観写真連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会179

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