平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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クの容器室には容積74L、圧力35MPaの水素用高圧タンクが4本格納されている。水素漏洩時に水素が容器室内に大量にたまることを避けるため、容器室上部には外部に水素をパージするための通路が設けてある。水素燃料はここから減圧弁により2段階に分けて減圧された後にエンジンに供給される。また容器室天井部およびエンジン室上部には水素漏洩検知器が設置されている。これにより水素漏洩時には、タンクおよび水素ラインの2箇所に設けられた遮断弁により、水素の供給が遮断される。このとき運転手には、警告パネルにより音と目視で水素が漏洩したことを知らされるしくみとなっている。 3─3 水素ハイブリッドエンジンの研究開発(1)水素エンジンの最高出力向上と点火ケーブルの耐久性向上水素エンジンは水素エンジンバスと同様の予混合火花点火式を採用した。ベースエンジンは日野自動車製N04Cである。表1に主要諸元を、図3にその構造を示す。燃料は吸気ポートに設けられた燃料噴射弁より噴射され、混合気を形成し燃焼室に供給される。その後、ピストンの上昇により圧縮された混合気はスパークプラグの放電により点火されるしくみである。 最高出力向上のため、水素エンジンバスを上回る高い過給圧を目指した。過給圧の向上に伴い、スパークプラグが放電しにくくなるため、点火系に電荷が残存しがちになる。この様子を図4に示す。これにより図に示すような再放電が発生すると、バックファイアが発生し、車両の正常な運行が困難になる。詳細については平成20年度戦略的大学連携支援事業活動報告書を参照されたい。点火系の電荷残存を防ぐため、水素エンジンバスではアース線を付与した対策ケーブルを使用していた。対策ケーブルのしくみを図5に示す。電荷を速やかに放出するためにはアース図3 水素エンジンの構造と実験系統図表1 水素エンジン諸元連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会180

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