平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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散は重要である。高純度化されたCNTを所定の分散剤を溶かした非水溶媒系に超音波波照射下で分散し、CNTコンポジット調製に供した。2.2. CNTコンポジット電極の調製2.2.1. 金属/導電性高分子/CNTコンポジット電極:2.1で調製した高純度化CNTの分散液にピロール(Py)を加え、流動層セルを用いてPyの電解酸化重合あるいは化学酸化重合によりポリピロール/CNTコンポジット(PPy/CNT)を合成した。これを所定の有機溶媒を用いPPy/CNTインクを調製し、これと所定の金属塩あるいは金属錯体の溶液から金属(Me=Co, Ni, Fe, Mn, Pt, Pd, Ag ,Cu等)をloadingしたMe-PPy/CNT/コンポジットのインクを調製した。(図3)。また、CNTに窒素および金属原子を直接コンポジット化できる金属フタロシアニン(Me-Phc)CNT分散インクも調製した。2.2.2. 遷移金属酸化物/CNTコンポジット電極:遷移金属あるいは複合酸化物/CNTコンポジット合成用のインクは、CNT分散液に所定酸化物の前駆体(金属塩、金属アルコキシド)、あるいは酸化物の分散液を溶解させて調製した。試験した酸化物は、結晶構造の異なるTiO2、ランタノイド(Ln:La,Nd,Sm,Dy)系酸化物およびペロブスカイト型複合酸化物(LnXSr1-XCoO3)である。2.3. コンポジット電極の酸素カソード特性の評価試験CNTコンポジット電極の特性は、サイクリックボルタンメトリーにより酸素還元反応の全体的挙動を把握し、ダイナミックインピーダンス法および複素インピーダンス法により電極/電解質の界面容量測定による酸素吸着および還元中間生成物である過酸化水素種の挙動をそれぞれ検討した。また、酸素の拡散状態の制御が可能な回転電極法(RDE)を用い、還元反応の動特性の把握、各コンポジットの触媒活性を評価および反応電子数の決定を行った。なお、試験電極は、CNTに対するPy、PPy、Me-Phc、遷移金属酸化物の割合を変化させたものおよびそれらの焼成温度変化させたものを再分散させて調製したインクについて、キャスト法あるいは電気泳動法によりグラッシ−カーボン上に成膜したものである。これら試験極は、Fe(CN)63−/4−レドックス反応の電子移動特性を求め、電極の有効面積評価に活用した。2.4. コンポジット電極のキャラクタリゼーション試験極の幾何学的形状はSEMにより観察し、コンポジット形成の有無、組成は、ダイナミック−TG法を中心に、ラマン分光法も併用して行った。2.5. 無加湿中温型固体高分子形電解質膜 (ポリベンズイミダゾール:PBI)の合成PBIは無加湿中温下で運転できるため、現状のナフィオン®膜電解質系FCが持つ非白金系触媒の選択自由度、電極触媒の安定性、水管理システムの排除などの問題を克服でき、さらに運転温度が高いため燃料電池の高効率・高性能化が期待できる。3,3’-ジアミノベンジジンとイソフタル酸を不活性ガス雰囲気下、200℃で重合反応させPBIを合成した。これを十分洗浄後、真空乾燥し、高温高圧化でDMAcに溶解させた。このPBI溶液を自動塗工装置によりガラス板上に展開し、乾燥させてPBI膜を得て、リン酸をドープした。所定のドープ条件下で得られた膜の伝導特性を中心に所定のガス雰囲気化で測定した。3.1. コンポジットの膜電極化:試験に供するMe-PPy/CNT、Me-Phc/CNTおよびTiO2/CNT、Ln2O3/CNT、LnXSr1-XCoO3/CNTコンポジット合成に対する分散液あるいは前駆体分散液の調製は、酸素電極の研究成果3図3連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会194

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