平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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高性能化、高品質化のみならず性能の再現性達成のためにも重要であり、これらのインク調製法を確立することができた。3.2. Me-PPy/CNTコンポジット電極:昨年度のCNTとPPyのsynergy effectの酸素還元特性に対する効果の検討結果に基づき、より高いパフォーマンスで動作するように最適化されたPPy/CNTを用い、金属(Co, Ni, Fe, Mn, Pt, Pd, Ag ,Cu等)をloadingしたMe-PPy/CNTコンポジットおよびこれを焼成したコンポジット電極を試験した。図4に示すように試験したどのMe-PPy/CNT電極も酸素還元触媒能を有し、PPy/CNT電極の特性をかなり上回る。しかし、そのパフォーマンスは、loading したMeに大きく依存するが、中でもCo-PPy/CNTおよびMn-PPy/CNT コンポジット電極は高活性、安定あることをみいだした。反応は、PPy/CNTコンポジット電極と明らかに異なり-0.2V領域に明瞭なピーク電流が一つ観測されるのみで、onset potentialもよりアノード側にシフトした特徴ある挙動を示した。これを解明するため、回転電極法(RDE)を用いLevich-Kouteckyプロット解析 を行った。拡散が関与しない活性化電流を分離し各試験電極の反応活性を評価すると同時に重要な反応パラメータである反応電子数を決定することができ、分極電位とともに2.5〜4まで変化することを見出した(図5)。Co-PPy/CNTのハイブリッド化によって形成されるMetal-N-Cサイトが酸素還元反応に有効であることが示唆された。電極系をカソードに用いた酸—水素燃料電池特性の一例を図6に示した。3.3. Co-Phc/CNTコンポジット電極:Co-Phc/CNTに加え、他の有機金属錯体/CNT電極系も焼成によって特性を向上させることができ、ハイブリッド化の有効性が観測された。これらの電極系では、−0.2V 付近に大きな酸素還元ピークが観測されるのみで、HO2−の還元に対応するピークが観測されない興味深い特徴ある特性が見出されたが、昨年度の還元特性を大きく改善するにはいたっていない。含窒素系ポリマー/CNT系とのコンポジット化を検討中である。3.4. 酸化物/CNTコンポジット電極3.4.1: Ln2O3/CNTおよびTiO2/CNT系:これらの単一金属酸化物/CNTコンポジット電極では、2つの酸素還元ピーク(酸素還元:-0.2V付近、過酸化水素の還元:-0.6V以降)が普通観測されるが、TiO2/CNT電極系では、コンポジット化させるTiO2の結晶構造には依存せず、-0.2V付近の還元ピークが得られるのみで興味ある特性を示すことがわかった(図7)。アモルファス型TiO2/CNTコンポジットの回転電極法(RDE)から得られ図6 電池特性図7図4図5連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会195

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