平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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平成21年度は、16件の交換授業が実施され、約670名の学部学生および大学院学生がその講義に参加した。表に、東京都市学および室蘭工業大学で実施された交換授業科目、担当者、専攻、参加人数を示す。平成21年度の交換授業は、大学院科目の宇宙システム工学特論Ⅰから開始され、前学期には、宇宙機力学特論Bおよび技術者倫理の計3科目の交換授業が実施された。宇宙システム工学特論Ⅰでは、室蘭工業大学大学院棚次亘弘教授がロケット推進の基礎理論を解説した上で、将来のロケット推進システムとして期待されている原子力ロケットエンジンについて概説された。原子力ロケットについては1960年ごろから開発されてきたが、実用的な大型原子力ロケットエンジンについては、まだ開発されていないこと、その性能は現存の液体燃焼ロケットを大きく凌駕するもので、惑星間飛行や恒星間飛行も夢ではないことが示された。技術者倫理では、室蘭工業大学の藤木裕行准教授がスライドとDVDを用いた講義を2コマにわたって展開した。実際の事故事例やケーススタディーなどを巧みに利用しながら、授業内レポートに解答を記入させるなど、学生の興味を引く工夫が数多く見られた。学生のアンケートやレポートの感想を見ても、多くの学生が藤木先生の講義は興味深かったという答えが多く、室蘭工業大学が制作されたビデオについても印象深かったと答えていた。宇宙機力学特論Bの交換授業では、東京都市大学の目黒在教授が、展開宇宙構造(展開構造とは、展開構造の設計、解析法)、大型展開宇宙構造の開発事例(衛星の概要、構成、設計、試験、運用)について説明された。宇宙関連の得意分野を相互に大学院学生に学ばせる貴重な機会であった。後学期の交換授業は、電力社会システム工学特論の交換授業からスタートし、室蘭工業大学の佐藤孝紀准教授が、放電プラズマによる環境汚染物質処理について、基本物理の説明から最新の研究成果にわたる説明がなされた。同分野では、室蘭工業大学の学部授業である高電圧工学および電力発生工学を、東京都市大学の岩尾徹准教授および吉田正教授がそれぞれ担当された。岩尾准教授平成21年度連携講義3藤木准教授目黒教授岩尾准教授吉田教授連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会18

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