平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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高い回転速度では反応が素早く短時間で起っているが、低い回転速度では反応が穏やかに長時間にわたり起っていることを示している。したがって、撹拌速度を制御することで、必要な水素生成速度に調整可能であると考えられる。さらに廃Al(切削屑、図7(左))を用いた水素生成反応についても検討した。廃Alは反応器で攪拌可能な大きさに裁断し(図7(右))、アセトンで2回洗浄後、空気中50℃で乾燥した後に使用した。この結果を図4に示す。廃Alを用いた場合でも、粉体のAlと同様に水素を生成させることができた。しかしながら、粉体の場合と比較すると水素生成量は非常に少ない。これは、実験条件が異なるため単純な比較はできないが、Alの形状、表面積の違いおよび廃Al中の他の成分などに由来すると考えられる。3.3. 燃料電池システム作動のための運転条件の最適化さらに、燃料電池システムを作動させるための反応条件について検討した。その結果、粉末Alを用い、反応温度80℃、攪拌速度800rpmの条件で燃料電池システムの連続運転が可能であることがわかった。また、2010年10月27日に開催された大学・地域間連携シンポジウムの会場において上記の運転条件で燃料電池システムを5時間以上作動させ、LEDを連続点灯させることができた(図8)。したがって、本研究で開発したH2製造法は実用化への高い可能性を有しているといえる。図7 廃アルミニウム(左)および裁断後の廃アルミニウム(右)の形状図8 燃料電池システム(左)と大型ステンレス製H2製造装置(右)連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会201

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