平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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実験計測装置概要を図2に示す。高温部のヒータへの投入電力は交流電源の電圧とヒータの抵抗値から求める。高温部と低温部の温度測定は熱電対を用い、作動流体圧力はひずみ圧力計を用いる。これらはアンプを通してPCでデータを取得する。ディスプレーサピストンを駆動するDCモータにエンコーダが取り付けられており、これの出力をFVコンバータにより電圧変換して発電機の周波数を計測する。発電コイルからの発電電力は抵抗回路を利用して計測しPCで記録した。発電機の出力を消費する負荷抵抗としては大型(225W)の可変抵抗を用い、抵抗値は150~1000Ωの間で変化させた。3.1 実験結果図3に、負荷抵抗を変化させたときの発電機出力の変化を示す。グラフより、負荷抵抗の変化により発電機の出力が増減し、またある抵抗値で極大点をもつことが分かる。例として、図3a)の入力電力が380Wの場合、発電機の駆動周波数が20Hzの場合では負荷抵抗が600Ωの時に最大の出力である25Wを発生する。また入力電力を568Wに増加させた場合、極大値は低抵抗側にシフトする傾向が見て取れる。例として、図3b)の入力電力が568Wの場合、発電機の駆動周波数が20Hzの場合では極大値が500Ωの位置となっており先ほどの入力電圧が380Ωの場合と比べ減少していることが分かる。3.2 解析本スターリングサイクル発電機が負荷抵抗の変化に対して上記のような傾向をもつ原因を調べるため、本発電機を図4にあるように質量とばね等からなる単純な系としてモデル化し、その特性を解析した。ディスプレーサの移動による圧力変化をp0cosωt、パワーピストンおよびリニア発電機の振動子の質量をm、ばね定数をkとすると、この系の運動方程式は以下のようになる。 (1)ここで左辺第2項はコイルから受ける反発力の項で、磁束密度Bやコイルの巻き数lなどの関数となっている。この系の出力電力は以下の式で求めることができる。 (2)b) 入力電力568 Wa) 入力電力380 W図3: 負荷抵抗の違いによる発電電力の変化実験結果と解析3図2: 実験装置概要連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会203

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