平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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■ 教育研究部会 活動報告 研究小委員会皮膚のレーザースペックルパターンから組織血流を計測する手法と装置はすでに知られているが、従来法は血流情報のみであり、組織内の血液濃度や酸素化状態などの情報を取得することができない。これらは血流以上に血液循環に関する医用診断や生理学的研究において重要な指標と言われている。室蘭工業大学では、血液濃度情報を検出可能な近赤外分光計測法とレーザースペックル血流計測法の融合による血流と血液濃度変化の同時イメージング法を新規に提案した。平成21年度までに、濃度計測に必要な2波長スペックル画像の同時撮影光学系の原理構成、改良と安定化を行ってきた。今年度は、21年度に両大学共同で試行実施した動物実験から得られた課題である撮影光学系の一体化を行い、麻酔下ラットによる血流イメージングを行うこと、さらに、光が皮膚組織をどのように伝搬するかについての基本特性の解析を進めるため、光が生体組織のどの深さにどの程度のエネルギーを供給することが可能かを定量的に計算評価するシミュレーション手法を新たに開発することを目的として実施したので報告する。 室蘭工業大学では、光・レーザー応用生体計測技術を研究展開しているが、学内にて実験動物を対象とする研究を展開できる設備・環境がない。一方、東京都市大学工学部生体医工学科では動物実験を実施できる設備・環境があり、動物実験の教育研究に習熟した研究者がいることから、両大学の連携により本課題の教育研究が効果的に推進できる点でその意義が大きい。平成22年度は下記の4回にわたる打ち合わせと実験を行った。第1回打合せ :平成22年6月18日(金)、東京都市大学工学部生体医工学科棟第2回打合せ :平成22年7月5日(月)、室蘭工業大学教育・研究7号館Y棟第3回打合せ :平成22年10月27日(水)、室蘭工業大学教育・研究7号館Y棟動物実験実施 :平成22年12月14日(火)、東京都市大学工学部生体医工学科棟参画学生 室蘭工業大学大学院工学研究科機械創造工学系専攻谷 勝弘君、米岡 篤志君 同大学工学部機械航空創造系学科研究の目的1連携の意義2生体組織の光学特性及びエネルギー伝搬特性に関する教育研究室蘭工業大学 大学院 教授 相津 佳永/東京都市大学 工学部 准教授 島谷 祐一図1 レーザー血流計の改良光学系と麻酔下ラット咽頭部図2麻酔下ラット実験用の光学系設置の様子図3 両大学の学生による共同実験作業の様子連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会209

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