平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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面の平滑度が重要であるために1000番まで機械研磨を実施した後、バフ研磨、電解研磨で仕上げを行なった。イオン照射実験は東京大学重照射施設(HIT)の1MVタンデム加速器を用いて4MeVのNiイオンで実施した。照射温度は室温とし、照射量はTRIMコードでの照射損傷計算に基づいて30dpaまで実施した。dpaとは照射はじき出し損傷率で、個々の格子原子が弾き出される回数(displacement per atom)である。2.2.2 イオン照射材のTEM観察イオン照射後の試料はFIB装置で薄膜化した後、透過電子顕微鏡による観察を行なった。図5は低Si相当鋼の10dpa照射したイオン照射後試料の断面TEM像である。撮影条件はZ≈[011]、g=<01-1>で撮影しており、イオンビームは上方から侵入して右手上方の矢印の方向から入射して、試料内におよそ1.8μmまでの領域に照射損傷を与える。それよりも深い部分はイオンビームによる損傷を受けていない非照射領域となっている。平成22年度の活動は卒業研究として本課題を実施する室蘭工業大学の学部4年生1名中心に大学院生1名に2名を直接の担当者として本課題を実施し、室蘭工業大学教員2名、東京都市大学の教員1名の指導で研究を実施した。室蘭工業大学の幸野豊教授がイオン照射実験と微細組織観察を、東京都市大学白木准教授がハーフサイズシャルピー試験を担当し、結果をまとめて学部生の卒業研究として卒論発表を行った。本年度の活動の体制と分担について3図5 低Si添加鋼の290℃、10dpaにおけるイオン照射後の転位組織連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会215

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