平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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い、おなじコースの一員として、事前の質問やメンバーの自己紹介情報などを共有することができた。これにより、研修の初日から、ある種の親近感をもって接することができた。また、電子メールのような文字情報だけでは伝えにくいことも、HTMLによる画面作りで簡単に意思疎通もできた。e-Learningといえば、日本ではとかくオンラインやパソコン内で完結する活動を思い浮かべがちであるが、Moodleは本来、現実の授業(オフライン)を前提として、そこを活性化するための掲示板や書類ライブラリとして設計され、アメリカの大学でもそのように現在も使われている。そういった意味では、後述の事前交流活動ともあいまって、今回の研修ではMoodleの利点を活用できた。これは、大学どうしが授業レベル/学生レベルで交流していくためのコミュニケーションツールとして活用できると実感した。各大学ごとに、事前のオフラインでの顔合わせも行った。東京都市大学では、出発1ヶ月半前の期間に、3回ほどミーティングを行った。お互いの自己紹介にはじまり、訪問都市についてのリサーチ作業や、旅支度についての情報交換などを通じて、出発時には東京都市大学グループ内での意思疎通をはかることができた。このことが、室蘭工業大学の学生たちと合流した時に、両者のよりスムーズな雰囲気作りに貢献できたと思われる。食事の際など、学生たちは多少の照れをみせつつも、意図的に両大学の交流に貢献しようとする姿勢をみせてくれた。両者の区別を曖昧にしたまま、とりあえずの知り合いとばかり話す雰囲気よりは、はっきりとより多くの人と話してみようという意識が両大学の学生たちに現れていたのが印象的だった。進路や就職に関する関心も、両者の環境の違いが会話の中に登場することによってクローズアップされることとなった。東京都市大学の学生の多くは、首都圏出身者が多く、片道1〜2時間をかけ通学することに違和感を持たず生活しているが、室蘭工業大学では多くの学生が大学周辺に住み、移動に多くの時間を費やす必要はない。こうしたことは、両方の大学の学生が生活形態や今後の人生設計で何を大事にするかなど、より大きな視座を思い起こさせていたようである。東京で就職活動をするという室蘭工業大生は、東京の友人ができ、モティベーションが向上したと言い、それを都市大生も喜んでいる場面など、印象深い場面は多かった。今後の彼らの交流と活躍に期待したい。学生同士の交流の方向性5連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会224

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