平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会では昨年に引き続き、東京都市大学-室蘭工業大学-室蘭市の連携事業として11月1日から11月29日まで、室蘭市及び西胆振管内を約1,070kmに及ぶ水素燃料エンジンバスの実証走行試験と11月12日から11月29日の期間では617kmに及ぶ水素ハイブリッドトラックの実証走行試験を行い、これに合わせて水素エネルギー普及啓発事業を行った。 この水素エンジンバスは、昨年の実証走行試験結果を踏まえ、登坂におけるギアの最適化を図る改造が加えられている。さらに、今年は、新たに水素ハイブリッドトラックが開発され、全国初の実証走行試験が室蘭で行われることとなった。これについては、地域の食料品スーパーであるコープさっぽろの協力により実施した。 この実証走行試験に合わせ、22年度は室蘭市が新たな広域連携形態である定住自立圏の中心市となったため、西胆振全域にこの実証走行を兼ねた水素普及啓発事業を実施することとした。広域的に行った展示試乗会や出前教室など水素エネルギーの普及啓発事業の展開により、延べ1,278名の方々が試乗した。 室蘭市内の学校への出前教室では、絵鞆小学校、本輪西小学校、常盤小学校、旭丘小学校、陣屋小学校、東中学校、室蘭工業大学へ訪問、また、スクール児童館への展示試乗では本輪西小学校、旭丘小学校、常盤小学校、絵鞆小学校、武揚小学校、地球岬小学校、白鳥台小学校、元室蘭小学校、八丁平小学校、水元小学校、大沢小学校、海陽小学校、高砂小学校、知利別小学校で行った。さらに、市民向けでは、青少年科学館、企業向けでは室蘭地域水素タウン研究会、市議会向けに経済常任委員会委員による、それぞれ試乗会を行った。市外では、壮瞥町の壮瞥小学校、洞爺湖町のとうや小学校、虻田小学校、伊達市の黄金小学校、東小学校、豊浦町では豊浦小学校、登別市では日本工学院北海道専門学校でそれぞれ出前教室を行った。出前教室では、室蘭市青少年科学館の職員2名による水素ガスの性質と発電機の仕組み、燃料電池車キットの実験による授業と、東京都大学による水素バスのDVD、そして室蘭工大の先生による水素バスに試乗しながらの水素エネルギーの説明の3本を行い、それぞれの学校に充実した学習機会を提供できた。 水素ハイブリッドトラックは食品スーパーの宅配事業に使用し、宅配先の顧客に水素エンジンのクリーンさを体感してもらうと同時に、スーパー側にも水素内燃機関の性能を体感してもらった。また、走る普及啓発広告塔として室蘭、登別の住宅街を走ることにより市民への浸透が図られたものと思う。 このたびの実証走行試験では水素バス改造後の貴重なデータが取得できたと同時に、トラックを実用車として企業に使用してもらったことなど、水素内燃機関の性能と、地域の取り組みを内外にアピールできたこと、さらには広域的なエリアに渡って住民や児童生徒に水素エネルギーに関する普及啓発が出来たことによって、低炭素社会に向けた環境意識の醸成に確実に役立ったものと思われ、遠隔に立地する大学と地方自治体間による連携事業としては、画期的な取り組みとして評価されると共に、各機関の尽力により円滑な事業実施が図られた。水素普及啓発事業実施概要■ 地域連携部会 活動報告室蘭工業大学 客員准教授/室蘭市 企画財政部企画課主幹 関川 純人連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会250

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