平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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(2)時間領域から周波数領域へ–フーリエ級数の意味–の2テーマであり、(1)では全微分モデルを使用し、(2)ではフーリエ変換モデルを使用した。〈講義実施の内容〉図2-7はベクトル解析の模擬講義の配付資料を示し、図2-8~10は、“ベクトル解析の入り口 –電磁気学への応用–”、および“時間領域から周波数領域へ –フーリエ級数の意味–”の講義の様子をそれぞれ示す。ベクトル解析の模擬講義では、電磁気学の電界と電位の関係を例に取り上げ、傾きの概念が説明された。また、最大勾配の説明では、斜面を転がる球を例にしてわかりやすく解説され、図2-6の演習が指示された。説明ではスライドショーがうまく利用されるとともに、手元にある全微分モデル教材をつかって理解を高める様に工夫されていた。基礎教育支援ツールとして開発した教材であるが、数学のみではなく、専門科目の入り口としても効果が得られることが示された。また、フーリエ級数の模擬講義では、周波数領域の波形の取り扱いの必要性が説明されるとともに、定規を使って周期関数の振幅を求める演習を通して理解を深める工夫がなされていた。〈講義を実施した教員の感想〉講義実施当日は、室蘭工大の教員諸氏の努力により、23名の大学院生、大学生を集めていただいた。その内訳は、前述したとおりであるが、本来この講義は大学2~3年生を対象としており、今回の講義は対象外の学生に試験的に行ったものである。また、取り上げた題材の一部は、電気系の科目を意識して構成していたので、電気系の学生でない学生には、若干興味のない内容であったかもしれない。ただし、基本的には工学部の“教養”的な内容であるため、まったく理解できない分野ではないと思われる。(1)のベクトル解析に関しては、報告者が今回このモデルを使った講義が初めてであったため、講義の細かい点においては工夫が足りない部分もあり、また、学生も初めての講義なので若干緊張していたこともあって、報告者自身としては50%ぐらいの出来であったと考えている。一方、(2)のフーリエ級数に関しては、報告者がある程度このモデルを使った講義に慣れており、図2-8 ベクトル解析の講義の様子(その1)図2-9ベクトル解析の講義の様子(その2)図2-10フーリエ級数の講義の様子図2-7 ベクトル解析の演習問題【問題】x方向の傾きが0.4, y方向の傾きが0.3の平面(斜面)がある。この斜面の最大傾斜の方向と傾きの大きさはいくらか?連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会29

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