平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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学生も2テーマ目であったこともあって、比較的良い雰囲気で講義を進めることができたので、報告者自身の感触では70%ぐらい(合格点)の出来であったのではないかと考えている。〈講義を受けた室蘭工大の学生の感想(アンケート)とアンケートによる効果の分析〉アンケート結果(一部抜粋。実際には23名分のアンケートあり。)● 電界と電位の関係を改めて確認できた。● フーリエ変換を視覚的に、時間、周波数領域をリンクさせる教材に驚いた。基本的な勾配の計算でも、とても奥が深いことが分かった。● 特にフーリエの教材は非常にわかりやすく、印象に残りました。教材を使うことで、より立体的に3次元ベクトルを理解できた。波形とスペクトルの関係がより理解できた。● 数学的な知識がこの講義で学問的な知識になったと思った。内容が電磁気ということもあり、ある程度電磁気の知識がある人と、そうでない人との間に差があったように感じた。● 図だけでなく立体の教材があるため理解しやすいと思う。● gradの計算で温度の変化を読み取れることが理解できました。これから、gradのイメージを持って天気図を見ていこうと思います。● 今までgradを、計算式を省略するための記号のようなものとしか考えていませんでしたが、意味をもったものであるということを確認できたことです。● 立体的な模型を使って理解を深めるような教え方だと思った。● 今回の授業から模型を用いることでより理解を深めることができると感じました。● 3次元空間での傾きを求めるときの説明がとてもわかりやすく、印象に残っている。具体的な図や模型からイメージがつかみやすかった。● 開発教材が自分にはわかりにくいものだった。パワーポイントで作ってくれた資料のほうが自分にはわかりやすかった。● (勾配)教材を使用するメリットがよくわからなかった。講義中に教材が活きていなかったように思う。 (フーリエ)イメージをつかむという点で教材を利用する利点はあったと思う。〈アンケートによる効果の分析〉アンケートの結果より、比較的多くの学生が、立体モデルを使った講義を効果的であり、理解に役立つと考えていることが分かった。ただし、どの程度理解できたかという理解度を図る手段(小試験など)を準備していなかったので、実際にはどの程度効果があったかを評価することはできなかった。しかし、「ベクトル解析において単なる“記号”だと理解していた“grad”について、具体的なイメージがつかめた」と回答する学生がいるなど、目的はある程度達成できたと考えられる。その一方、「教材はかえってわかりにくく、スライドで示した図の方がわかりやすかった。」という回答のように、教材の必要性がないと感じる学生もいた。これは、モデル(特に全微分)の完成度が低く、講義とのリンクもあまりよくなかったためだと考えられる。やはり、講義をブラッシュアップして、教材をうまく使いこなすためには、さらなる努力とモデルの改善が必要であると思われる。〈FD検討会における意見〉模擬授業の後、12名の教員が約1時間にわたり、教材を利用した講義について意見を交換するFD研究会を開催した。そのときの意見を以下に示す(抜粋)。● フーリエ級数モデルを使った講義は、かなり効果があったと思われる。学生一人一人がよく考えていたようである。● 1つ目の講義を受けた後でようやく打ち解けてきたのではないか。学生と教員が打ち解けるのに60分くらいかかった。事前のコミュニケーションが大切であろう。● 今回の講義で、学生がいかに理解していないかが分かった。● 全微分のモデルは少々わかりづらいようであった。円柱形のモデルにしてみてはどうか。● もう少し学生に手を動かせる工夫があった方が良いのではないか。定規を使って測らせるなど、講義に参加させるという工夫が必要である。(学生を授業に積極連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会30

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