平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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ンジン出力特性に合せてアシストトルク制御および充放電収支バランス制御の最適化をはかった。C.D.I.方式を搭載し、ハイブリッドシステムにて低速トルクのアシストを行った場合のエンジン出力特性を図15に示す。低速域より十分なトルクが発生していることがわかる。また全域で、ベースエンジンに迫る出力およびトルクを示していることがわかる。これにより、トラック用エンジンとして実用上十分なエンジン出力特性の確保に成功したものと考える。6─4 水素ハイブリッドトラック図16に水素トラック外観写真を示す。ベース車両は日野自動車株式会社製デュトロハイブリッドである。キャブ下に搭載されるエンジンの整備性確保のため、キャブバックに燃料用高圧水素タンクを搭載した。図17に水素ハイブリッドトラックの構造を示す。燃料配管は実績のある水素エンジンバスの構造を踏襲した。キャブバックに設けた容器室には、水素用高圧タンクを4本搭載した。なお本車両は、現状の荷室容積を確保したままで、必要に応じ8本までの高圧タンクの搭載が可能である。6─5 水素ハイブリッドトラックの排ガス性能表2に水素ハイブリッドトラックの排ガス性能を示す。窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)およびハイドロカーボン(HC)共に触媒なしでポスト新長期規制の値を満足していることが分かる。6─6 水素ハイブリッドトラック実証試験結果完成した水素ハイブリッドトラックの実証試験を行い、水素エンジンバスにて検出された課題の改善効果を確認した。そのため、コープ札幌殿の室蘭市内における配送業務に水素ハイブリッドトラックを活用していただいた。運転手の方々からは、ベース車両とそん色ない仕上がり、自然なドライバビリティである、との評価を頂いた。これらのことから水素エンジンバスで課題とされた低速トルク不足は改善されたものと考える。さらに前述の評価より、当該車両はトラ図16 水素ハイブリッドトラック外観写真図15 水素ハイブリッドエンジン出力特性図14 ハイブリッドエンジンの構造連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会48

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