平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
64/350

角)とした。リン酸処理石膏プロトン電解質の製膜特性から、現時点では最も薄い場合で100ミクロンであり、図15下図に示すようにGDLと組み合わせたセミ電極状態では目標作動温度である150℃でセルインピダンスが180mΩとなり膜厚が50ミクロンであるNafion212の無加湿作動条件のレベルであり、かなり高い値である。また,プロトン伝導率も高い値となっている。この原因は、前項で述べたようにリン酸処理石膏プロトン電解質のプロトン伝導率がNafionに比べて低いためである。また、膜厚を1/2にしてもインピダンス値が1/2にならないことや厚さ方向の伝導率に大きな変化が無いことから、プロトン伝導性以外の抵抗値、たとえば接触抵抗などが高い値を示していることが考えられる。この原因は、膜の柔軟性が劣るため、セミ電極化した際のGDLやエンドプレートとの接触抵抗が伝道特性の計測値に加算されているためであると考えており、MEA化上の課題である。また、測定温度(環境温度)を高くすることによってセミ電極インピダンスが増加しているが、これはナフィオン膜などと同様にリン酸石膏膜が保有している二水和物が、高温化により排出されたためである。 4.3 中温作動化にむけたMEAの調製法の要素検討 (平成20-21年度)(1)MEA調製因子と水準これまで広く用いられている電極材料であるナフィオン、Pt/C電極触媒、ナフィオンベースバインダーを用いたMEAの調製法が出力に与える影響を検討した。調製法の因子と水準を表2に示す。中動作膜、低白金触媒の開発後のMEA化のベースデータとすることが目的である。(2)高電流域の出力に対するMPL撥水性の影響図16に示すようにPTFE含有率を高くすることで高電流域における出力電圧が安定し、出力も上昇した。しかし、撥水性があまり高すぎると、高電流域で出力が低下することが分った。(3)触媒ペーストの水分量の検討触媒ペーストの水分量の増加に伴い、図17に示すように低電流域と高電流域で分極特性が良くなる。溶媒として用いる水分を多くすることでナフィオン電解質の高分散が可図14有機金属錯体を用いたアノード白金合金触媒による性能向上効果図15 セミ電極によるリン酸処理石膏のプロトン伝導特性の評価表2 MEA調整因子の水準連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会62

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です