平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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能になっていると考えられる。しかし、触媒インクの水分量が高すぎると乾燥収縮時にインクの表面張力が高いためひび割れが発生する。この原因で高電流域における生成水がひび割れに浸み込み、触媒層にフラッディングを引き起こされたと考えられる。 (4)触媒ペーストのイオノマー量検討今回実験で使用した白金触媒に対しては、高電流域の分極特性によりN/Ptは1が最適との結果になった(図18)。N/Ptは1より低い、イオン伝導性高分子電解質が少ない領域では、プロトン伝導性が低下し、N/Ptは1より高い、イオン伝導性高分子電解質が過剰な領域では、ガス拡散性が阻害されると考えられている。 (5)その他の因子の影響上項で述べた調製法因子の効果に加えて、表2で示した他の因子の性能向上に対する効果の一覧を図19に示す。(6)まとめMEA調製時の因子が出力性能に与える影響を明らかにし、またANOVAによる分散もあきらかにした。ANOVAの検定結果から、選定した因子は有意水準5%で有意であることが判明した。今後、このような調製時の因子の感度を確認しながら、新しく開発される中温動作電解質膜と低白金触媒を組み合わせたMEAシステムの出力最適化に適用していく。5.1 研究の背景MEA化後の性能劣化の特性を明らかにすることもプロジェクトの目標に設定しているため、この特性把握に関しても同様であり、素材の特性に合致した手法開発が必要である。このために、必要と考えられる電解質膜などの性能・機能低下を診断するための診断法の開発も必須であり、これも材料の開発と並行して進めている。5.2 TLM-ACIS法によるMEA性能劣化部位診断法の開発 (平成20-22年度)5.2.1 新しく開発したTLM-ACIS法PEFCの劣化原因を解明する第一ステップとして性能MEAの劣化診断・評価手法の開発5図19 MEA調製法が出力に与える効果とANOVAによる分散分析図16 MPL撥水性の影響図17 ペースト内水分量の影響図18 ペースト内イオノマーの影響連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会63

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