平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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り、かつ分割部とセパレータ流路溝とを対面させることによってMEAの電気化学的な反応やプロトンの移動には一切影響を与えない構造である。出力レベルも通常のセルと変わらない特性であり、通常作動時の発電の癖(低発電部:M2,B1,B2)が計測されている(図23)。この手法により、新たに開発した素材を用いて調製したMEAの発電分布と経時間性能劣化の面内の特性を診断するために用いる。図24に性能劣化研究への適用例を示す。長時間使用により生じている分割部の接着と絶縁を行っているエポキシ材料の剥離防止などが今後の改良開発課題である。 室蘭工大における要素技術の進捗や研究結果を参照にしながら、東京都市大学における本研究開発課題遂行は計画にあわせて進められた。しかしながら、両大学の小研究委員会の交流や意見交換に比べると、お互いに同一課題を実施している研究者同士のミーティングなどの直接的な交流は多くは持てなかった。研究小委員会などの大学同士の交流が無くなる平成23年度以降は、上で述べた反省点を踏まえて、これまで課題解決のテーマとして取り上げた下記研究開発課題ごとに、定期的な研究ミーティングを開催できるように、その計画を具体化していく。(a)固体高分子用中温動作型電解質膜や酸素富化膜など次世代膜技術の研究開発(b)白金使用量を軽減する新しい燃料電池用電極触媒の研究開発(c)中温動作型燃料電池の特性と調製法の研究(d)中温動作型燃料電池の使用素材に起因する性能劣化に関する研究定置用燃料電池の要素技術課題研究今後の進め方6図22 9分割セルのセパレータと集電部図23 9分割セル通常作動時の発電分布図24 分割電極セルの適用例(凍結起動を繰り返した燃料電池セルの性能劣化分布)連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会65

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