平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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析の結果に基づき、所定温度、所定ガス雰囲気下での熱処理によりアモルファスカーボンを除去し、超音波波照射下で硝酸と硫酸の混酸処理を行い、超遠心分離により分級、高純度化された所望のCNTを分離した。2.1.2. 廃タイヤ抽出油を炭素源として合成したCNT図2からわかるように、そのモルフォロジーはカーペット状で、分留なしで合成したCNTの純度は低く(50%程度)、抽出油の分留程度に大きく依存するが、pristine CNTで80%以上まで向上させることが可能である。高純度化のための処理は基本的にはアルコール系と同様に行った。2.2. CNTの分散CNTと有機あるいは無機物質とのナノコンポジットを合成するためのインクを調製するためのCNTそのものの分散は重要である。合成したCNTは、まず不純物炭素種を除くため所定のガス雰囲気下で処理を行った。次いで、超音波照射下で化学薬品処理を施して触媒および担体を除去し、さらに薬品で酸化処理をして不純物を取り除いた。この後、化学修飾を行い所定の溶媒(水溶液系、非水溶媒系)に分散させ、これを超遠心分離機により分級して分散液を調製した。2.3. CNTコンポジット電極の調製2.3.1.導電性高分子/CNTコンポジット電極 2.2.で調製した高純度化CNTの分散液にピロール(Py)を加え、流動層セルを用いてPyの電解酸化重合あるいは化学酸化重合によりポリピロール(PPy)/CNTコンポジットを合成した。十分洗浄後、PPy/CNT重量比の異なるコンポジットを所定の溶媒に分散させ、試験極の調製に供した。最適PPy/CNT重量比は酸素還元特性から評価し、これを決定した。2.3.2. 金属-PPy/CNTコンポジット電極:2.3.1.で調製した最適PPy/CNT比をもつPPy/CNTインクと所定の金属塩あるいは金属錯体の溶液から金属(Me = Co, Ni, Fe, Mn, Pt, Pd, Ag ,Cu等)をloadingし、600℃〜1000℃の温度領域で焼成したMe-PPy/CNTコンポジットのインクを調製した。(図3)。また、CNTに窒素および金属原子を直接コンポジット化できる金属フタロシアニン(Me-Phc)CNT分散インクも調製した。これも2.3.1と同様に十分洗浄後、所定の溶媒に分散させ、試験極の調製に供した。Loadingする金属種、量およびMe-PPy/CNTコンポジット材料調製の焼成温度について検討を行った。2.3.3. 遷移金属酸化物(複合酸化物)/CNTコンポジット電極遷移金属あるいは複合酸化物/CNTコンポジット合成用のインクは、CNT分散液に所定酸化物の前駆体(金属塩、金属アルコキシド)、あるいは酸化物の分散液を溶解させて触媒インクを調製した。コンポジット化させた酸化物は、結晶構造の異なるTiO2、ランタノイド(Ln:La,Nd,Sm,Dy)系酸化物およびペロブスカイト型複合酸化物(LnXSr1-XCoO3)である。コンポジット化酸化物種(Ti系については結晶系)および量、コンポジット化温度について検討を行った。図2(b)図3図2(a)図1連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会71

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