平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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電極の特性をかなり上回る。しかし、そのパフォーマンスは、loadingしたMeに大きく依存するが、中でもCo-PPy/CNTおよびMn-PPy/CNT コンポジット電極は高活性、安定あることを見出した。反応は、PPy/CNTコンポジット電極と明らかに異なり-0.2V領域に明瞭なピーク電流が一つ観測されるのみで、on set potentialもよりアノード側にシフトした特徴ある挙動を示した。これを解明するため、回転電極法(RDE)を用いLevich-Kouteckyプロット解析を行った。拡散が関与しない活性化電流を分離し各試験電極の反応活性を評価すると同時に重要な反応パラメータである反応電子数を決定することができ、分極電位とともに2.5〜4まで変化することを見出した(図9)。また、波数150cm-1〜300cm-1領域に観測されるラジアルブリージングモード(RBM)はCo-PPy/CNTにおける金属性CNT-N-Metalのハイブリッド化が酸素還元反応に有効であることを示唆した。反応の動特性を把握するため、所定電位における界面複素インピーダンスを検討した。表1は、onset potentialでの複素インピーダンスの等価回路解析から得た結果である。酸素分子の吸着容量、酸素の有限長の拡散インピーダンス等の速度論的パラメータは、各試験CNT電極の酸素還元活性と矛盾せず、電極系を特徴付けることができる。電極系をカソードに用いた酸—水素燃料電池特性の一例を図10に示した。3.5. Co-Phc/CNTコンポジット電極 Co-Phc/CNTに加え、他の有機金属錯体/CNT電極系も焼成によって特性を向上させることができ、ハイブリッド化の有効性が観測された。これらの電極系では、−0.2V 付近に大きな酸素還元ピークが観測されるのみで、HO2-の還元に対応するピークが観測されない興味深い特徴ある特性が見出されたが、昨年度の還元特性を大きく改善するには至っていない。含窒素系ポリマーとCNTとのコンポジット化をさらに検討中である。3.6. 酸化物/CNTコンポジット電極3.6.1:Ln2O3/CNTおよびTiO2/CNT系これらの単一金属酸化物/CNTコンポジット電極では、2つの酸素還元ピーク(酸素還元:-0.2V付近、過酸化水素の還元:-0.6V以降)が一般的に観測されるが(図11)、TiO2/CNT電極系では、コンポジット化させるTiO2の結晶構造には依存せず、どの結晶系電極でも-0.2V付近に大きな還元ピークが得られるのみで興味ある特性を示すこ図12図13図11図10図9表1連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会74

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