平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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近年、地球環境問題の解決、水素エネルギー社会実現に資するという見地から、エネルギー変換効率が高く再生可能な資源をもとにした水素を燃料にできる燃料電池(FC)を使った発電システムの開発が活発に行われている。FCの実用化・普及には、現状レベルより数段の性能の向上、長寿命化および低コスト化が求められているが、広く実用化ができれば、エネルギーの使用量を削減し、石油への依存度を低くすることが可能となる。FCには5〜6種類にも及ぶFCがあるが、中でも固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、作動温度が低く、起動停止が容易なため使い勝手がよい特徴を持つため、多くの分野で注目されている。しかし、PEFC単独では、定置型、携帯型、移動用途向け、補助電源用途向けであるにかかわらず、現状のこれらに対応する各種電源設備との競合技術にはなり得ず、水素つくる・ためる・つかう三つの装置を統合したシステム化によって初めて同じ土俵の競合技術となり得る。以上の観点から、本研究では、水素つくる・ためる・つかう三つの装置つまり水素製造/水素吸蔵・放出/燃料電池の各装置を統合システム化し、システム運転のための基礎・基盤的研究を進めた。各系および各系間の整合を図るための問題点、技術的改良点等を抽出し、システムの本格的な格段の性能向上、高耐久下、桁レベルのコスト低減にわずかなりとも資することを目指して実施した。開発した燃料電池システムの構成は、次に示す4つの部門からなり、それぞれの装置内容、開発目標を示した(詳細は、各担当者の報告書を参照)。1.水素発生部(アルミニウムを用いた水分解による水素の製造) 開発目標:水素発生反応の誘導期の低減、発生速度・量(放出時間)と反応器内圧力の制御 (—> 反応装置の化学工学的再検証、背圧調整により達成。図A)2.不純物除去部 開発目標:発生水素ガスに同伴する水分、混入酸素の除去を行 (—> ガス吸着ライン、液体窒素トラップラインの設置により達成。)研究目的1研究実施方法2燃料電池 ─水素吸蔵・放出─水素製造系のシステム化室蘭工業大学 大学院 准教授 田邉 博義/東京都市大学 工学部 特任教授 高木 靖雄■ 教育研究部会 活動報告 研究小委員会図Aアルミニウムは120g、水400ml、反応温度は80。撹拌回転速度は800rpm。回転翼の形状は縦板型の1枚羽。図B連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会84

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