平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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3.水素吸蔵・放出部(Mg-Ni-Mn系水素吸蔵合金を用いた吸蔵/放出) 開発目標:水素の吸蔵・放出反応の速度向上と低温化 (—> 合金組成の最適化により吸蔵量5mass%、吸収/放出温度250℃/300℃を達成。)4.燃料電池部(ナフィオンおよびポリベンズイミダゾール(PBI)電解質膜を用いる燃料電池) 開発目標:CNTを用いた白金低減電極触媒および非白金系電極触媒の開発とPBI電解質の適用 (—> CNTを用いた白金低減電極触媒によりシステム化目標達成(単セル:0.5V,0.8A/cm2以上)。図B)システムフローは図1に示すとおりである。このフロー図から分るように、水素生成に関する特性(生成量、発生速度、反応器内の圧力変化等)、発生水素が含む不純物(運転当初の空気、発生反応に伴う水分や反応生成物の微粒子の同伴等)がその後の部門に大きな影響を与える。これら不純物を効率的に除去し水素ガスの露点温度を十分に下げるため、ガス(酸素、水分)吸着ラインおよび液体窒素トラップラインを設け、その後の3および4の装置部に対応可能なようにした(不純物除去部門を新たに設置)。また、反応器は3および4の装置部に対応した水素ガス圧力および流量を確保する必要があるため、装置内の圧力は常に所定圧力以上を維持する必要があるため背圧調製装置を設置し、さらに、反応装置の化学工学的再検証を行い水素の効率的発生を達成できるものに設計し直した。その結果、0.8MPa、ガス発生速度300ml/min、持続時間3時間以上を達成できた(図A)。これらを組み込み、システム化を完成した。当初の目標はほぼ達成でき、6時間以上の演示を実行できた(水素:0.8MPa、流量100ml/min、電圧:〜0.9V、電流:〜20mAの連続運転を達成(図B)、図2にシステムの全体の写真を掲載した。燃料電池システムは、原理的に高効率でクリーンであり、特に、水素エネルギーシステムが実現するときに大いに実力を発揮すると考えられる。燃料電池システムの特性を生かすには、FCにあっては構成要素たる無加湿対応MEA、非白金系電極触媒等の機能向上、水素吸蔵材料にあっては吸蔵・放出速度の向上、放出温度の低温化、劣化対策等、水素発生装置にあっては水素発生・停止の制御技術の確立、装置の超小型化、高エネルギ―密度化、反応生成物の利用法等の課題を克服することが重要となる。今後の課題3図1図2連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会85

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