平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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ンと呼ばれるピストンが空気ばねにより支持され振動することで発電機を駆動する、セミフリーピストン型と呼ばれるスターリングサイクル発電機である。仕様の詳細についてはH21およびH22の活動報告を参照されたい。本研究では太陽熱の代わりに電気ヒータを用いてスターリングエンジンに熱を供給し、得られる発電電力および発電効率を評価した。2.2.3 基本性能 封入した作動流体圧力を1.0MPaAで固定し、ディスプレーサの周波数を変化させたときの発電電力を、高温部を加熱するのに用いるヒータへの入力電力をパラメータとして整理したものを図2に示す。図より、ディスプレーサの周波数を増加させることにより発電電力が大きくなることがわかる。また、ディスプレーサの周波数を増加させることによる発電電力の増加の勾配は、ヒータへの入力電力が大きいほど急な勾配となる。ディスプレーサの周波数を変化させたときの発電効率の変化を図3に示す。発電効率ηは以下のように定義した。図3において一部の条件で効率が負となっているが、これはディスプレーサを駆動するのに必要となる電力Pdisが発電電力Poutを上回っていることを示す。ヒータへの入力電力が小さい場合、周波数の増加とともに発電効率が減少する。これは周波数増加に伴う作動流体の圧力損失の増加が原因であると考えられる。ヒータ入力電力を570Wとしたケースでは、ディスプレーサ周波数の増加とともに効率が増加する傾向がみられた。2.2.4作動流体の違いによるエンジン性能の変化 図4,5に、作動流体として窒素・ヘリウム・水素の三種の気体を用いた場合の発電電力および発電効率のグラフを示す。図によれば、同じディスプレーサ周波数において発電電力は水素・ヘリウム・窒素の順に大きい。水素を用いた場合、同じヒータ投入電力でも高温部温度がより低くなってしまうという傾向がみられ、これにより発電電力が低下したものとみられる。また、図5の効率については窒素を用いた場合の効率が他と比較し著しく低い。これはディスプレーサを駆動するのに必要となる電力がヘリウム・水素の場合に比べ倍以上大きいことが原因である。図6にディスプレーサ駆動電力を示すが、これによるとディスプレーサを同じ周波数で駆動するのに必要な電力はヘリウム・水素の場合図2:ディスプレーサ周波数の変化による発電電力の変化図3:ディスプレーサ周波数の変化による発電効率の変化図4:作動流体の違いによる発電電力の変化図5:作動流体の違いによる発電効率の変化Pout:発電電力、Pin:ヒーター投入電力 Pdis:ディスプレーサ駆動電力連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会87

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